<DREAM.9>◇26日◇フェザー級GP2回戦◇横浜アリーナ

 「神の子」KIDも、512日のブランクは埋め切れなかった。07年大みそか以来の実戦となった山本“KID”徳郁(32=KRAZY

 BEE)は、フェザー級GP2回戦で06年レスリング世界選手権王者ジョー・ウォーレン(32=米国)に判定負け。右ひざの手術を乗り越えての復帰も、実戦から遠ざかった影響から、総合格闘技では約7年ぶりの敗戦を喫した。

 512日ぶりに登場したKIDへの大歓声は、試合が進むにつれて静寂へと変わっていった。本来は打撃でリズムをつくるKIDだが、ウォーレンの果敢なタックルに距離を詰められ、終始グラウンド戦に持ち込まれた。4分すぎには両目の間から出血も。「予想以上に組みが強かった。それで腕がパンパンになって、後半はパンチが全然出なかった」。持ち前の打撃は影を潜めた。「相手の土俵につきあっちゃった。(ブランクの影響は)あったかな。自分では気づかないけど」と悔しがった。

 昨年8月、右ひざ前十字靱帯(じんたい)断裂の手術をした。術後は激痛に襲われ「自分の足じゃないみたいだった」。病室の窓の外で、元気に野球をする人々の姿に視線を奪われたこともあった。自分がいない「DREAM」を見るのもつらかった。「動かせないつらさはあったけど、医者に『焦らずしっかり治せばまた戦える体に戻る』って言われていたから」と、リハビリに耐えて復帰を目指した。4月下旬には静岡で1週間、走り込み合宿を敢行。得意な打撃だけでなく、寝技も1カ月間の特訓を受けた。準備は万全なはずだった。だが、待っていたのは判定負けという厳しい結末だった。

 「つらい試合になっちゃったけど、もう1回気合入れてやり直します」。観客からは「KID!」の声が飛んだ。「次は組み負けないよう、やってきます」。鮮やかな復活勝利はならなかったが、KIDの闘志に再び火が付いたことだけは間違いない。【浜本卓也】