最強挑戦者を迎えるWBC世界スーパーバンタム級王者の西岡利晃(34=帝拳)に、もう一つの“難敵”が明らかになった。5度目の防衛戦(東京・両国国技館)を前に、18日に同級1位レンドール・ムンロー(30=英国)が都内で練習を公開。陣営のスタッフが、試合当日にイングランドから約300人の大応援団が来日することを明かした。

 英国レスターで「ゴミ収集員」と「ボクサー」の二足のわらじを履くムンローは、地元の労働者の希望の星でもある。世界初挑戦への期待は想像以上に高い。同関係者は「ムンローは労働者の英雄。みんな作業着みたいな服装で応援することになるだろう」と話した。

 この大応援団は王者にとってはやっかいな“敵”になりそうだ。サッカーに代表されるように、英国のスポーツファンは熱狂的で有名。大きな音を出し、過激な行動に出ることもある。“地元の利”となる、西岡ファンの声援がかき消されてしまう可能性もある。ムンローも「日本に来るのは安い旅行ではない。励みになる」とほおを緩めた。

 公開練習では軽く動いただけだったが、筋骨隆々の上半身で周囲を驚かせた。「ご覧の通り最高に仕上がっている。武器は体格とスタミナ。自分が真の王者だと見せたい」と自信を示すと、最後は「アリガトウ」とあいさつし、リラックスした表情で引き揚げた。【浜本卓也】