五輪代表から史上3人目の世界王者へ。WBC世界フライ級1位五十嵐俊幸(28=帝拳)がKO奪取を宣言した。11日に都内のジムで練習を公開し、2回のスパーリングで好調ぶりを示した。これまで00年国体3位から、04年アテネ五輪代表、08年日本同級暫定王者と、4年周期で結果を残してきた。五輪からの転向組で世界王者となると、過去2人しかいない。悲願へ向けて「倒したい」と、KOでプロでの金メダルを狙う。
「4年周期で結果を残してきた。今年は世界王者になる年。KOを狙えない相手ではない。倒したい」。五輪イヤーに燃える五十嵐は、力強く言い切った。
秋田・西目高で、同級生に誘われてボクシングを始めた。2年目の00年に初の全国大会となる国体で、3位になって素質を開花させた。04年にはアテネ五輪でただ1人の日本代表になり、アマで世界トップの舞台を踏んだ。08年には日本フライ級暫定王座を獲得し、プロで認められる存在となった。そして、12年。世界初挑戦が目前に迫る。
王座奪取を果たせば史上3人目だ。五輪代表は前回の08年北京まで19大会でのべ73人。プロに転向したのは五十嵐が21人目で世界挑戦までたどりついたのは過去5人だけ。奪取したのは強打のロイヤル小林、海外で鮮烈初回KOの平仲明信と2人しかいない。
日本ランカー相手に2回。五十嵐は軽快な動きからシャープな左ストレートを打ち込んだ。「パンチが切れていた。すごく調子いい」。挑戦者決定戦以来8カ月ぶりのリングにも「その分基礎体力がアップした。バランスがよくなり、しっかり打てるようになった」とKO宣言となった。
09年に結婚し、翌年には長男比呂君が生まれた。世界を最優先に「何もしていない」という。アテネでは悔しい判定負けで1回戦敗退も、プロで金メダルと言える世界のベルトをつかむ。リングで息子を抱き、栄子夫人には結婚指輪を贈ると決めている。【河合香】

