ロンドン五輪ミドル級金メダルの村田諒太(27=三迫)がコスチュームに「でかい夢」を刻み、プロデビュー戦に臨む。今日25日、東京・有明コロシアムで東洋太平洋ミドル級王者・柴田明雄(31=ワタナベ)と73キロ契約体重6回戦で激突。24日に都内で前日計量に臨み、柴田とともにリミットでパスした。トランクスとシューズに「BIG

 DREAM」としるし、プロ第1歩を踏み出す。

 プロ初の前日計量をリミットでパスした村田の表情は晴れやかだった。契約を結ぶ米プロモート最大手トップランク社CEOの大物プロモーター、ボブ・アラム氏から「リスクを冒した対戦相手」とまで言われた東洋太平洋ミドル級王者・柴田とのプロデビュー戦。危険な初陣となるが「強い相手に全力でぶつかっていくだけです」と意気込みを示した。計量後は都内でパスタとステーキを平らげ、減量で疲労した肉体を回復させた。

 日本人で初となる五輪金メダリストの世界王者を目指し、プロに転向した。いずれ米ラスベガスで世界戦やビッグマッチを戦いたいという大きな夢を抱き、トップランク社と契約した。そんな思いをプロデビュー戦のコスチュームに刻んだ。シューズは足の甲中央の内側のベロ部分にゴールド地の白ぬき、そしてトランクスにはゴールドの刺しゅうで「BIG

 DREAM」と入れた。

 村田は「デザインは(関係者に)お任せです」と話したが、今回のプロデビュー戦の副題は「夢のデカいほうが勝つ」。関係者は「金メダリストとして世界王者になる。ラスベガスでビッグマッチをする。世界で戦うという夢があるので」と理由を説明した。また試合前夜、村田はインターネット交流サイト・フェイスブックを更新。今日25日が10年2月に他界した母校の南京都高顧問・武元前川さん(享年50)の誕生日だったことを明かし「ボクには全力を尽くす義務があると思う」とつづった。

 村田

 期待に応えるのがボクの仕事です。何より他人よりボク自身がボクに期待しているし、しっかりした姿をみせたい。練習してきたことを出せば、良い結果は出ると思います。

 ミドル級で世界を目指すという大きな夢を抱く金の拳は、王者とのプロデビュー戦で恩師にささげる勝利を目指す。【藤中栄二】