横綱白鵬(30=宮城野)が1敗を守った。大関琴奨菊(31)の突進を受け止め、すぐさま肩透かし。「思い通りの動き、反応」と納得した。

 この日の朝、5年前から親交のあるトヨタ自動車の豊田章男社長が、名古屋市内の稽古場を訪れた。11年の東日本大震災後に白鵬が被害にあった宮城県内のトヨタ工場を激励した縁もある。世界的経営者の励ましに勝利で応えた。

 V争いは鶴竜との一騎打ち状態。残り3日へ「何も考えずに行きたい」と無の境地に入った。今日13日目は豪栄道戦。先場所は逆転の首投げで敗れ、際どい勝負も物言いはつかず、土俵下で1分間も控えに座らず物議をかもした。心を静めて難敵を沈めれば、35度目の優勝にも近づける。