江戸時代の歴史秘話を描く映画「殿、利息でござる!」(中村義洋監督、5月14日公開)のトークイベントが28日、都内で行われた。

 トークには主演の阿部サダヲ(46)と共演の瑛太(33)に原作者の磯田道史氏(45)を加わった。瑛太は「着物の中にカナブンが入ってくるような自然の濃い環境で、虫好きの僕にはたまらなかった」と振り返り、阿部が「虫たちはたくましくて、防虫スプレーも効かなかったよね」と続けた。

 撮影現場では演技に集中する阿部に代わって瑛太が気配りしたようで「毎日、皆さんの食事を考えてたいへんでした。本来は(主演の)阿部さんの役割ですけどね」と暴露。阿部が苦笑いするひと幕もあった。

 映画は仙台藩を舞台に、ひなびた宿場町の復興を目指す庶民の知恵がクローズアップされる。藩主役でフィギュアの羽生結弦選手(21)が映画初出演しているのも話題だ。撮影当日までキャストにも出演が伏せられ、その驚きがそのまま殿を目の当たりにした庶民のそれに反映されている。

 国際日本文化研究センター准教授の磯田氏は03年に映画化された「武士の家計簿」の原作者としても知られ、今回の作品は「『武士の家計簿』を見た仙台の人から教わった実話が元になっています」と明かした。