<フィッシング・ルポ>

 まさかの初Vにビックリ!

 「2011日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」船釣りブロックのカワハギ釣り大会が5日、千葉・金谷を本部にして参加108人で行われた。審査対象外の13センチ未満の「ワッペン級」が多いことを予測しながら宙釣りを貫き通したカワハギ釣り歴5年の坂本正俊さん(34=木更津市)が、大会過去最多59匹を記録して初優勝を奪い取った。

 表彰式でほおが紅潮し、声が裏返りそうになった。競技を振り返るコメントを話す坂本さんは、ひざが震えていた。出場したほか107人の視線が一斉に注がれ、口の中が乾いてしまった。「まさか、優勝できるなんて。今回は、あまり得意じゃない宙釣りにこだわってサオを出してみた。調子は悪くなかったけど、本当に優勝できるなんて思っていなかった」と坂本さんは目を泳がせた。緊張した表情とは違って、釣果は59匹。大会新記録を樹立する堂々たる初制覇だった。

 坂本さんは今年で5年連続の参加。08年は14匹で15位、09年は15匹で12位。船中トップになるものの、20匹のカベを破れず、これまで“好成績”で終わっていた。実は、昨年から釣法を変えた。大物狙いの底釣りから、13センチ未満の“ワッペン”と呼ばれる小型が多い宙釣りに変えた。底狙いでは、アタリを待つ「ガマンの釣り」になるが、宙ならば連続するアタリの中で、常に動いてリズムをつくれる。イチかバチか、宙狙いで勝負した。

 2位の菅沢哲一(てついち)さん(44=川崎市)、3位の中山達也さん(49=草加市)はともに底狙いで、それぞれ50匹、48匹と、昨年Vの仲川宜秀さん(48=千葉市)の大会記録47匹を抜く、これまた大会新だった。昨年の仲川さんも得意の宙釣りを捨てて、底釣り勝負だった。菅沢さんは「糸をたるませずにゼロテンションで微妙な反応も拾っていった。残念、来年は勝ちたい」と唇をかんだ。中山さんは逆に「底をたたいて誘い続けた。ワッペンは2匹だけ。まあ、いい釣りができた」と納得顔。

 坂本さんは腕がしびれるぐらいにずっとアタリを取り続けた。「底釣りでは数は伸びない。宙だとワッペンが多いけど、ワッペンだけじゃないし」と笑った。仕掛けは釣具店で購入した700円のもの。根気だけで勝利した。来年の目標については「本当に勘弁してくださいよ。今回がフロックと言われない程度に頑張りますから」とやはり声は震えていた。【寺沢卓】