<フィッシング・ルポ>

 埼玉・円良田湖(つぶらだこ)のヘラブナ釣りが狙い目だ。この時季は湖の一部を仕切り網で区切り、新ベラを放流するのがスタイルで、今年は既に網中に約200キロの放流を実施。本格的な放流は年明けになるが、今は大型の地ベラが主力で豪快な引きが楽しめるのが魅力だ。日刊釣りペン・クラブのデータ・ヘラマン、関川康夫さん(59)がルポする。

 円良田湖は、冷え込みが続くと底釣りが有利になる傾向がある。そのデータを基に、冬場に実績が高い一番奥にある桟橋の中央付近に入り、サオ18尺(約5・4メートル)の底釣りでスタートした。餌はバラケとグルテンだ。

 何回か打ち込むと弱いサワリ(アタリが出る前触れ)が出たが、カチッと入る決め手がない。餌を軟らかく、小さくして様子をみても効果はない。そんな中、カラバリで釣れたのがワカサギだ。これがいたずらしてウキは動きっぱなし。グルテン餌に反応しているらしく、下バリに掛かることが多い。

 そこで、餌を両ダンゴ(ふの餌を練って上下のハリに付ける釣り方)にチェンジ。時期的にアタリは遅いと判断し、徹底した<待ち釣り>で攻めた。しばらくして、なじんだ(エサの重みでウキのトップが沈むこと)ウキのトップ(頭部)がゆっくり1、2目盛り戻る。その瞬間だ。ムッ、と待望のアタリが。合わせるとゴツッ、と根掛かりしたように動かない。両手でサオを持ち、サオの弾力を利用して引き抜くように水面に浮かせる。途端に深場へ疾走!

 その引きをこらえながらタモ網に納めたのは、38センチ余りの地ベラだ。

 1匹目から大型がヒットしたのに気をよくして打ち返すが、アタリが出ない状態が続いた。サイズがいいだけに連続して釣り込むのは難しいようだ。それでも、一定のテンポで餌打ちを繰り返すうち、サワリが出て釣れるといったペースに-。結局、この日は午後1時半すぎまでに計7匹をカウント。数は伸びなかったものの、33~38センチで、豪快な引き味が堪能できた。

 ▼問い合わせ

 日刊スポーツ新聞社指定「たきざわ」【電話】048・581・0523。管理事務所【電話】048・581・8511。午前6時から受け付け。桟橋釣りに限定1日2000円。ワカサギ釣りもあり。詳細は要確認。

 ▼交通

 車利用が便利。東京側からは関越自動車道・花園インターから国道140号を秩父・長瀞方面に走り約15分。