日刊スポーツ、日刊銀鱗倶楽部主催「2012

 月桂冠杯

 南紀串本磯グレ釣り大会」が24日、南紀・串本の磯で行われ、45人が参加しグレ23センチ以上の長寸を競った。波が高くて釣りづらい磯も多かったが、食いは良好で大半の参加者がグレの鋭い引きを満喫した。出雲崎の「長島」に上がり磯際を攻めて42・6センチの口太を仕留めた初参加の村山文啓さん(51=吹田市)が見事、優勝を飾った。栄えある「月桂冠賞」は最多匹数の16匹をそろえた大久保譲志さん(48=和歌山市)が受賞した。「他魚種賞」は49・2センチのイスズミを釣りあげた稲見公伸さん(56=大阪市)が選ばれた。

 秋グレに乾杯!

 快晴に恵まれ、上物師たちは、南紀屈指の磯釣り場で鋭い引きをみせる良型グレとのやりとりを満喫した。外磯ではうねりがあり、大きなサラシが広がって釣りづらさもあったが、つわものぞろいの技が光り、早朝から順調にロッドが曲がった。

 午前6時前から2隻の船に分乗し須江、出雲崎の各磯へ渡礁した。波に加え、鈍い上り潮が流れ、条件は今一つだったが、まきエが効きだすと25~30センチ超が乱舞し良好な食いをみせた。

 須江の磯では湾内のアリゴシに上がった叶松正信さん(東大阪市)が、サオ2本沖の根周りで38・4センチのグレを食わせて好発進。南亘さん(和歌山市)も沖のハエ根を探り、早々に30センチ級を4匹キープした。沖磯ではオドの東に上がった八木順一さん(向日市)がサラシとサラシがぶつかる潜り潮を巧みに攻めて30~35センチを次々に掛けていく。

 出雲崎の磯ではメンドリの鼻に上がった廣田歩さん(茨木市)が絶好調だった。「磯際にエサ取りと良型グレを集めながら遠投で沖を攻め、時合に手前で良型を食わせる」テクニカルな攻めを展開。同9時までに30センチ級を2ケタ釣りあげ、沖にエサ取りが出だした同11時すぎに狙い通りの際攻めで38・9センチを仕留めた。

 長島では大きなサラシが広がるなか、「磯際の付きグレを狙う」村山さんが、ひときわロッドを大きく曲げ優勝サイズの42・6センチを釣りあげてにんまり。正午前には「グレの食いが上向く」(しょらさん渡船・井本洋久船頭)下げ潮が流れだし、午後1時の納竿まで熱闘が繰り広げられた。

 審査会場には良型グレが続々と持ち込まれ、29人が42・6センチを頭に30センチ超を提出。他にも49・2センチイスズミ、48センチヒブダイ、47センチチヌ、41・5センチサンノジに38センチアイゴを釣った人もあり、串本の魚種の豊富さを実感。それぞれが秋磯を堪能し「今日はグレが良く釣れたし、うまいお酒ももらえて最高だったよ」などと満足顔で会場を後にした。【近江康輔】▼月桂冠杯

 南紀串本磯グレ釣り大会成績

 (1)村山文啓(51=吹田市)42.6(2)廣田

 歩(47=茨木市)38.9(3)叶松正信(58=東大阪市)38.4(4)広瀬圭司(45=和歌山・串本町)37.3(5)橋爪国男(64=明石市)37.2(6)東井秀夫(54=宝塚市)37.1(7)有間義信(57=堺市)36.9(8)八木順一(42=向日市)36.1(9)甲把優人(48=東大阪市)35.7(10)平尾幹伸(62=明石市)35.5※左から順位、名前、年齢、住所、長寸(センチ)。▼月桂冠賞<最多匹数>大久保譲志(48=和歌山市)16匹▼他魚種賞<イスズミ>稲見公伸(56=大阪市)49.2センチ(敬称略)。