<ニッカン・つりラボ>

 ライトタックル(LT)のアジ釣りが面白い!

 LTは軽量&細めの道具で狙う釣りで、魚が掛かると引きは一層強烈さを増し、ひとアジ違う釣り味が楽しめる。うまくハマれば数釣りも可能だが、釣り方によっては釣果に差が出ることもあるので侮れない。先ごろ、東京湾は横浜・金沢八景の「太田屋」で行われた釣り教室では、<コマセワーク>と<タナ取り>が攻略のヒントになった。

 今回、参加したのは計3人。当初、コマセ釣りのマダイ(コマセダイ)の教室を予定していたが、この日は朝から南西の強風が吹き荒れ、講師役の加藤雄二さん(58=日刊釣りペン・クラブ)の「アジの釣り場なら近いので風の影響は少ないし、マダイにも共通するコマセ釣りだから」との判断から、急きょアジ釣り教室に変更して実施した。

 午前便の乗合船に同乗して、入ったのは目と鼻の先の八景沖で水深50メートルラインが中心。「太田丸」(池田芳之船長=59)右舷の胴ノ間(中央)に伊藤勝志さん(49=東京都渋谷区)上田元司さん(51=川崎市)が並び、反対側のトモ(船尾)2番目で小島基裕さん(31=横浜市)が手持ちでサオを出した。釣り方は、仕掛けが底着後、糸フケを取ってコマセを軽く振りだし、船長の指示ダナに合わせてアタリを待つ。コマセダイのパターンに共通する要領だが、コマセのまき方やタナ取りが微妙に違い、しばし沈黙状態…。

 そこで、加藤さんがそれぞれにアドバイスしていくと、サオ先にクンクン…20センチ前後のアジが躍り上がった。小島さんは2匹のダブルヒットを連発して、数を伸ばし、いわく「これまでアジ釣りは我流だったが、コマセワークなど大いに参考になった」と話す。

 午前11時すぎのストップフィッシングで、小島さんが20匹で教室組のサオ頭、続いて上田さんが18匹、伊藤さんも15匹と、まずまずの釣果を収めた。ちなみに「太田屋」では、午前&午後の半日便で今年は年明け早々に60~70匹台の爆釣を連発し、2月も1日に83匹をマークしている。30センチ超の大アジも釣れており、脂たっぷりでおいしい。<釣りごろ><食べごろ>のターゲットだ。【長瀬川忠信】<加藤さんアドバイス>

 ◆タナ取り

 アンドンビシが底に着いたら1メートル上げてコマセを軽く振りだし、タナに合わせる。通常のタナは底上2~3メートルだが、1分ほど待ってアタリがなければ、そのままビシを底まで下ろして3回ぐらい繰り返す。底の起伏が激しいポイントではまめにタナを取り直し、潮が速いときはハリスが斜めに流れるので低めのタナで、魚の活性が高ければ高めのタナで当たることが多い。

 ◆コマセワーク

 コマセのミンチは最初、液状で煙幕のように広がるので軽めにサオをシャクっても出るが、2度目3度目とタナを取り直すうち、カゴに残るコマセは粒が粗くなって沈む速度も変わるので、振りだす位置を考えて強めに振る。入れ食いになったら、ハリの位置をイメージしながら底上50センチ、1メートル、1・5メートル上と、広範囲にコマセを出し、その中に全部のハリが入るようにする。

 ◆追い食いを狙う

 一荷(2匹)以上の多点掛けを狙うのが数を稼ぐコツ。1回目のアタリがきたら30秒ほど待って巻き上げる。食いが渋ったら、ビシが底に落ちたときに散ったアジが警戒心を強めているため、すぐには戻ってこない。この場合、上から落ちてくるコマセに反応して一番上のハリに掛かることがあり、アタリの後に60センチほど巻き上げて次のアタリを待つ。アジは口が弱いので、この間に1匹目がバレるリスクもあり、単発でしか掛からないことも多く、状況をみて多点掛けを狙うようにしたい。取り込みは急激な巻き上げや糸をたるませることは禁物。

 ▼船

 日刊スポーツ新聞社指定「太田屋」【電話】045・782・4657。LTアジの乗合は午前7時30分出船と午後0時30分出船の2便あり、各付けエサとコマセ&氷付き6000円。ほかにマダイとルアー五目釣り船も出漁中。毎週木曜日定休、2月は6日まで臨時休業。HP<http://www.otaya.net/>

 ※「太田屋」では、今月9日(日)にコマセダイの釣り教室を実施する。当日は午前6時30分集合で同7時20分出船、午後2時に納竿(のうかん)の予定。マニュアル講習もあり、定員12人。乗船料は付けエサとコマセ&氷付き1万円で参加費無料

 ▼交通

 電車は京浜急行線・金沢八景駅から送迎バスあり。車利用の場合も含め詳細は要確認。