カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法案は13日夜、民進党が求めたギャンブル依存症対策を盛り込んだ修正案を自民党が受け入れたことで急転直下、参院内閣委員会で採決、可決された。

 同日中のカジノ法案採決の「全力阻止」を主張していた民進党。反対はしたものの、自民の歩み寄りを受けて採決に応じた。5時間33分で衆院を通過した法案の是非を、再び衆院に丸投げしたのが現実で、「腰砕け」の印象は否めない。自由党の山本太郎議員は反対討論で「本当に悲しい。これが国会なのか。誰のための政治か」と訴えた。

 民進は、同様に反対していた「年金カット法案」の採決にも応じ、参院厚労委で可決。きょう14日に成立する見通しだ。民進は14日、カジノ法案修正案の採決に先立ち、衆院で内閣不信任決議案の提出などで与党に最後の抵抗を試みる構えだが、この日の参院側の動きは党内でも「全くの寝耳に水」といわれる。徹底抗戦にしては分かりにくい、迷走ぶりが露呈した。