稲田朋美防衛相が2日の衆院予算委員会で、質問に沿った答弁をせずに答弁書を棒読みし、浜田靖一委員長から答弁を強制終了された。浜田氏は政界きっての防衛族で、防衛相も務めており、「答弁が長い!」と、いらだちをみせた。

 稲田氏は、沖縄県名護市沖で起きた米軍輸送機オスプレイ事故に関し、原因究明の最終報告が出る前に、日本が飛行を認めた経緯を共産党議員にただされた。しかし、直接答えず「防衛省の分析と評価を8項目、具体的に申し上げます」と、答弁書の棒読みを開始。野党は「答弁妨害だ」と反発し、浜田氏も「簡潔に願います」と3度要請したが、稲田氏は朗読を続けた。

 第7項目では、浜田氏に「あまり長いと止めますよ」と最後通告されたが、構わず「最後に…」と8項目目に突入。浜田氏は「最後はいらない!」「はい、そこでやめましょう」と打ち切り、「大臣にひと言申し上げます。質問に答えてください」。浜田氏の苦言に、稲田氏は「あの、委員長…」と訴えたが取り合ってもらえなかった。

 鳴り物入りで防衛相に就任した稲田氏だが、過去の発言修正や、野党の追及に涙ぐむなど、別の意味で「見せ場」が続く。初来日するマティス米国防長官との会談では、防衛相として見せ場はつくれるだろうか。