「あり得る」の感情が、懸念か納得かは不明だが、首相も、昭恵夫人と学園の関係は認識しているようだ。実際に、夫人が今回の問題発覚後も、諄子氏とメールでやりとりしていたことを、「事実だ」と認めた。

 2人のメールのやりとりは、先月28日と今月8日。講演料に関する夫人からの問い合わせも含まれる。首相は「講演料(の有無)について、妻から籠池氏の奥さまに確認した。支払いはなかった」と述べ、「先方の許可が得られれば、全文を公開してもいい。公開した方がむしろハッキリする」と潔白を強調した。

 一方、民進党の福島伸享議員は、籠池氏と野党が面会した16日にも、夫人から諄子氏に「幸運を祈ります」とメールが送信されたと指摘。首相は「昨日の話は知らないが、何通かメールを確認した。まったく問題ない」と、夫人のメールチェックをしたことまで告白。「問題の核心は、国有地の払い下げ、学校の認可で不当な政治の力があったかどうかだ。メールすること自体は何の問題もない」と反論。「私の考えとは違うが、妻は1度付き合った方と、自分からは関係を切らない。最近までメールのやりとりがあってもおかしくない」と、強調した。

 バレたら騒動のもとになる学園側との関係を、なぜ続けるのか。ただ1人沈黙を守る昭恵夫人には、公の場での説明を求める声が強まっている。【中山知子】