東日本大震災に伴う被害に関し「まだ東北で、あっちの方だったから良かった」と発言した今村雅弘復興相は26日、安倍晋三首相に辞表を提出、即更迭された。首相は後任に、福島県選出の吉野正芳衆院議員(68)を選んで被災地との連携を示し、「今村ショック」の火消しを急いだ。

 事実上更迭された今村氏は、首相に辞表を提出後、「東北の皆さまに大変なご迷惑をかけ、傷つけた。心からおわびしたい」と謝罪した。自身の発言について、「東北の大震災の資料を説明する中で出た。決して『良かった』という言葉がよかったとは思わない」と釈明。議員辞職は否定したが、野党は「辞めて済む話ではない」(民進党の蓮舫代表)としており、今村氏に辞職を求める方針だ。

 一方、後任の吉野復興相は復興庁で会見。今村氏の発言に対し「本当に許すことができない。東北の被災地にとっては許すことのできない発言」と、怒りを隠さなかった。震災で、いわき市の自宅が半壊するなど被害を受けており、「私は被災者だ。被災者の気持ちはどなたよりも理解している。本当に被災地に寄り添えるのは私という自負もある」と強調。「被災者の気持ちを政府に伝えるのが私の仕事だ」とも述べ、27日の国会審議後、早速、福島、宮城両県を訪れる。