築地市場の豊洲移転問題で、土壌汚染対策費を考慮せずに土地を購入したのは違法として都民が当時知事だった石原慎太郎氏(84)への約578億円の賠償請求を都に求めた訴訟の進行協議が7日、東京地裁で開かれ、都側は石原氏の責任を問わない姿勢を示した。原告側が会見で明かした。

 原告側の大城聡弁護士によると、都側は02年に東京ガスと交わした「豊洲地区開発整備に係る合意」に法的拘束力があり、汚染対策費を含めずに土地を購入したと主張してきた。都はこの日、02年合意に法的拘束力があるとの主張を撤回。一方で、原告側の請求を認めるとはしておらず、大城氏は「非常に分かりにくい」とした。

 都側は従来、石原氏に責任はないとの主張だったが、小池都知事が今年1月、訴訟方針の見直しを表明した。これに対し、石原氏の代理人も訴訟に参戦。都が石原氏の責任を認めるのか、訴訟方針が不明確だった。