日本維新の会代表の松井一郎大阪府知事(53)は衆院選から一夜明けた23日、大阪府庁で囲み取材に応じ、躍進した立憲民主党の枝野幸男代表(53)について「正義の味方みたいになった」と語った。

 選挙直前に生まれた立憲には「うまくやったな、と。希望に入れてもらえなかった人たちが集まって参加したもの。それがなんか、枝野さんが正義の味方みたいになって、強い人たちに立ち向かっていくヒーローみたいに(有権者に)映ってたんじゃないかと思う」と感想を語った。

 強い自民への対抗勢力としての存在感を急速に増した立憲は、議席数を約3倍へと増やし、松井知事は「ヒーロー枝野、みたいな取り上げられ方をした」とも口にした。

 松井知事が代表の維新は、小池百合子東京都知事(65)が立ち上げた希望の党と、大阪、東京の小選挙区でともに対立候補を立てないなどの連携を図り、選挙戦に臨んだが、そろって苦汁を飲んだ。

 維新は強さを誇ってきた大阪の小選挙区でも3勝にとどまり、比例得票も伸びなかった。維新への比例票が立憲へ流れたのではないかと問われると「そりゃあ、あるでしょう。結果を見れば」と答えた。

 松井知事は今選挙戦を終え「我々の力不足。競り合ったところで、勝ちきれなかった」と反省の弁を繰り返しており、希望との連携については「していたら、しなかった…の『たられば』は言ってもしょうがない」と述べた。

 維新を立ち上げた橋下徹前大阪市長(48)を欠いての初の国政選挙となったが、この感想をこの日、あらためて求められると「いないもんを求めてもしかたありません」。街頭演説での聴衆の集まりについても「スタータレント(橋下氏)と普通の政治家を比べるのはおかしいでしょ。我々は全員が死力を尽くした。でも、結果としては、説明が足りなかった。もっともっと、足で稼がないといけないということ」と振り返っていた。