神奈川県座間市のアパートで9人の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された無職白石隆浩容疑者(27)は「1人目からためらいはなかった」と供述しているという。風俗スカウト時代の白石容疑者を知る関係者は「白石のグループは『人を埋めた』などと言っていた」と証言した。

 歌舞伎町でのスカウト時代の白石容疑者を知る歌舞伎町関係者が、日刊スポーツの取材に答え「新宿アルタ前や区役所通りで、よく立っているスカウトだった」と振り返った。印象は「新参者。細かくて勘繰り癖が激しく、何かあると店との仲介者も含め、あらぬ風評を立てるトラブルメーカー体質。嫌いなタイプだった」と明かした。

 子ども時代の白石容疑者を知る座間市の実家近くの知人らは「おとなしい、いい子だった」と言う。高校時代からアルバイトとして勤めたスーパーで卒業後は正社員となった。同社によると、勤務状況に問題はなかったが11年7月15日、昇給前に退職した。その後、パチンコ店勤務を経て転職を繰り返し、数年前から歌舞伎町の繁華街にスカウトとして立つことになる。

 白石容疑者を巡っては事件前から「極悪スカウト」「危険スカウト」などとネット上で指摘されていた。別の飲食店関係者は「白石は確かにスカウトをしていたがトラブルで去ったと聞いている」と話した。

 白石容疑者は今年2月、売春させると知りながら風俗店に女性を紹介したとして、職業安定法違反容疑で逮捕され、5月に有罪判決を受けた。関係者は「正統派の店でなく、違法系の店を紹介していただけ。その時も、さほど話題には上がらなかった」と言う。

 ただ、当時の白石容疑者の周辺には他に物騒なうわさがついて回ったという。「白石のいたグループは投資詐欺や振り込め詐欺、死体処理、強制労働、台湾や中国への人身売買までやってるとメンバー自身が言って回っていた」。

 2月の逮捕後、白石容疑者の姿は歌舞伎町から消えた。しばらくして戻ってきたが、6月ごろを最後に「またすぐに行方不明になった」という。