東京都の小池百合子知事は11日の会見で、自らの肝いりで昨年6月から試行していた入札契約制度改革のうち「1者入札」を中止する仕組みを撤回すると発表した。1つの業者かグループしか参加しない場合、入札を中止して再発注するが、入札中止が相次ぎ、10月開場の豊洲市場(江東区)の追加安全対策工事などで事業が遅れる影響が出ていた。工期の遅れにつながるとして、都の入札監視委員会に見直しを求められていた。

 一方、豊洲市場の観光拠点「千客万来施設」の整備が難航している問題について「早急に事業実施の判断をいただけるよう、誠意をもって交渉を進めている」と述べた。自ら事業者との交渉に臨んだが今も結論は出ておらず「要望、要請もいただいたが、行政としてできること、できないこともある」とあらためて訴えた。