桜田義孝五輪相は6日、閣議後の会見で、前日の参院予算委員会で大臣として初答弁した感想を問われ「質問の事前通告がなく、何にもよく分からない中で、残念だった」と述べた。立憲民主党の蓮舫参院幹事長から20年東京大会の基本コンセプトや大会ビジョンを聞かれたが、即答できず、官僚の原稿に頼ることが目立っていた。

会見で「今後、事前通告のない質問も予想されるが」と聞かれ「私が承知している範囲内では真摯(しんし)に答えたい。ただ質問する人と接触禁止だと、準備が出来ない。通告していただければ、丁寧な答弁ができる。議論の質を高めるためにもその方が良い」と答えた。

接触禁止だった人物について聞かれると「昨日は通告なしで質問する人がいたということ。名指しはあえてしない。皆さんご承知置き、ですよね」と語った。大会ビジョンや基本コンセプトは「大会の根幹。事前通告がないと答えられない内容か」と問われても「丁寧に答えるにはそうだと思うし、全然、何を質問するか分からないのは困ったなということ」と述べた。

今月下旬、都内で開催する各国オリンピック委員会連合(ANOC)の総会に、北朝鮮の体育相が出席する意向を日本政府側に伝えていた報道についても質問が出たが「私は全然承知していない。全然知らない」と返答。記者が「報道も知らないのか」と再確認すると「その報道も承知していない」と述べたが、官僚から促され「あ、皆さんから聞いたことは知っていますけど、報道については何らか人を通じて知っている」と、訂正した。

北朝鮮を巡っては国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長と金正恩朝鮮労働党委員長が今年3月に会談。北朝鮮側は選手団を東京五輪に参加させる意向を示し、バッハ会長も支持を表明している。東京五輪への北朝鮮参加について、五輪相としての見解を聞かれたが「私は承知していないんで何とも言えない。官邸とか外務省とか政府の官房とかで決めることで、私がとやかく言う内容ではないと思うし、分野外だ」と話し、注視する考えを示した。