「ジャパン・ドローン2016」では他にも様々なドローンが展示されていました。

 細い骨組みの物体に、街でよく見かける「クロネコヤマトの宅急便」の箱が乗せられています。よ~く見ると、物体にはプロペラが8個も付いています。これは物流システムなどに活躍が見込まれる宅配型ドローンです。日本サーキットが開発する「スペースフレーム・ドローン」のオクトタイプで、プロペラは機体の中にあり、衝突しても安全な設計になっています。

宅配型ドローン。「クロネコヤマトの宅急便」の箱を運びます
宅配型ドローン。「クロネコヤマトの宅急便」の箱を運びます

 この分野で最大の難関は離陸可能重量です。荷物だけでなくドローンを含めた重量を考えなくてはなりません。日本サーキットでは1年ぐらい前から開発に取りかかり、現在、展示されたドローンより一回り小さいサイズのドローンの飛行に成功しているそうです。ただ、このサイズでは数キログラムの物体しか運べなく、将来的には最大で約25キロの積載を目標とし、10キロくらいの荷物なら楽に運べるようにしたいとのことでした。

 他社はまだ、1~2キロぐらいの荷物しか運べていないそうなので、これが実現すると、夢も広がります。アマゾンで購入した商品や、宅配ピザが空を飛んで運ばれてくるかも知れません。現在、ドローンで離島などに荷物が運ばれたりしているそうですが、都会で活用されると用途は格段に広がります。もちろん、実際にドローンが空を飛び始めると、交通整理などの問題が発生し、国土交通省の仕事は、今より増えるかもしれませんが…。

原子力発電所の監視や火山の調査などに活用される業務用ドローン「ドカヘリ」
原子力発電所の監視や火山の調査などに活用される業務用ドローン「ドカヘリ」

 次に、別のブースにある直径180センチの巨大な業務用ドローンが目に留まりました。その名も「ドカヘリ」です。東京警視庁、国土交通省、国立大学、ゼネコンに納品実績があるそうです。強靱(きょうじん)なプロペラが8個あり、機体は防水で、赤外線カメラなどの大きなカメラも取り付け可能です。原子力発電所の監視や火山の調査などに活用されているそうです。

ネットで囲まれた実演スペースで、各社のドローンがモンストレーション飛行します
ネットで囲まれた実演スペースで、各社のドローンがモンストレーション飛行します

 今回、幕張メッセの会場にはネットで囲まれた実演スペースもありました。各社のドローンがデモンストレーション飛行します。盗難を防止するカード型の機器をドローンの機体に取り付け、認証されなければ飛ばせないというものも紹介されていました。また、時間の都合で実際に見られなかったのですが、ドローンのレースも行われたようです。ドローンで空撮した作品のコンテストなども行われ、優秀作品の上映と表彰も行われたようです。

盗難を防止するカード型の機器をドローンの機体に取り付けます
盗難を防止するカード型の機器をドローンの機体に取り付けます
認証されたためドローンは飛びました
認証されたためドローンは飛びました

 今回の「ジャパン・ドローン2016」は3日間の開催で来場者は8023人だったそうです。今後、まだまだ発展が見込まれるドローン業界。期待したいものです。