3月に国土交通省の「無人航空機(ドローン)の飛行に係る許可・承認書」を取得し、初めての実戦で桜の撮影に挑戦しましたが、予期せぬ出来事の連続でした。

 4月3日午前10時、横浜市の金沢産業振興センターに到着。ここには桜の木が約10本あり、同センターの了解を得て撮影に向かったのですが、咲いていたのは3本だけでした。施設経営部の村上さんによると、海が近く、風も強いことから、毎年咲き始めが遅いということでした。幸い、日当たりの良い1本が七分咲きだったので、この木を重点的に狙うことにしました。


初めての実戦フライト。ファントム3を手に桜を見つめます
初めての実戦フライト。ファントム3を手に桜を見つめます

 15分ほどで機体を組み上げ、コントローラーにiPad(アイパッド)を装着。練習場とは違う景色に、多少の緊張感はありましたが、「ファントム3」は無事、離陸しました。ところがです。機体を桜の木の真上で前進させても、ある地点でどうしても止まってしまうのです。スティックを目いっぱい前に倒しても進みません。

 監視役を務めていた河野部員としばらく考え、「ジオフェンス」に気が付きました。ファントム3は機体の動ける範囲を設定できるのですが、前回のデータのままで、電源を入れた地点から半径15メートルしか動けないようになっていたのです。とりあえず30メートルに変更すると、機体は無事、進むようになりました。


コントローラーのiPadにサンシェードを付けます
コントローラーのiPadにサンシェードを付けます

 次に、違った角度からいろいろ撮影しました。上下、左右という直線的な動きは、1本のスティックしか使わないので比較的簡単です。ただ、七分咲きの桜を旋回して撮影するには、左右2本のスティックを使わなければなりません。撮影ボタンは押さずに、何度もこの動きを練習し、ある程度思った動きができるようになったので、いよいよ「ライブ中継」をやってみることにしました。


「ライブ中継」の設定をする松屋部員(右)と河野部員
「ライブ中継」の設定をする松屋部員(右)と河野部員

 ファントム3は誰でもフェイスブックなどに、リアルタイムでドローンからの映像を流すことができます。今回は日刊スポーツの公式フェイスブックで公開しようと思い、メディア戦略本部の松屋部員も応援に来てくれました。設定には思った以上に、てこずりましたが、試行錯誤を繰り返し、何とか準備は整いました。さあ、いよいよ本番です。


無事、1時間半のフライトを終えました
無事、1時間半のフライトを終えました

 撮影のボタンを押し、機体を離陸させました。この映像を生で見ている人がいると思うと肩に力が入り、テスト飛行のようにスムーズな動きができません。多少、ぎこちない動きも入りましたが、何とか約2分、桜を撮り続け、無事、着陸しました。このときの映像は今でも日刊スポーツのフェイスブックで見られるので、一度ご覧下さい。ちなみに4月29日現在4300回の再生があります。もちろん納得の飛行ではありませんが、初フライトで緊張している様が見て取れます。


 このほかにも、細かい失敗はいろいろありましたが、何とか約1時間半の「実戦フライト」を終えました。ライブ中継とは別に、動画班の梅ちゃんが編集してくれた「ドローン百景・桜編」の映像は、前回のドローン日記(4月9日公開)にアップされているので、こちらもご覧下さい。まだまだ飛行技術など未熟で課題も多いですが、これから経験を積んで行きたいと思います。お楽しみに。【写真部・鹿野芳博】


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