聖パトリックスデー

 アイルランドの祝祭日「聖パトリックスデー」を祝うパレードが17日、マンハッタンで盛大に開催されました。イギリス、オーストラリア、そして今や日本(どうしてまた!?)でも行われている「聖パトリックスデー」のパレードなのですが、発祥の地はやはり、アイルランド系移民の多いアメリカ。しかも毎年、マンハッタンの5番街で行われるパレードが、世界一大規模なものです。アメリカ最大、そして最古のパレードでもあるだけに、その模様は全米に向けてテレビ中継されます。

春の訪れを告げるバグパイプの力強い音色が5番街に響き渡ります
春の訪れを告げるバグパイプの力強い音色が5番街に響き渡ります

 パレードの一番の見どころはやはり、伝統的なタータンチェックのキルト姿で、バグパイプを演奏する鼓笛隊やマーチングバンドの行進。約60のグループが5番街の44丁目から86丁目にかけて練り歩くのですが、沿道は、見物を楽しむ大勢の人たちで溢れ返っていました。今年は日本からも「東京バグパイプ・バンド」が参加していたそうです。

 この日はアイルランド系の人もそうでない人も、お祭り気分です。アイルランドは緑豊かな風景が美しい国なので、緑が伝統的なシンボルカラー。お祝いごとがあると、緑色のものを身につける習慣があります。パレードの日は、たくさんの人たちが洋服や帽子など、緑色のものを身につけて見物に繰り出すので、街中がグリーンでいっぱい! アイルランド系アメリカンの友人に「ほかにはどんな風に祝うの?」と聞いたところ、この日はアイルランド料理の「コンビーフ&キャベッジ」を食べるらしいです。

緑色はアイルランドの象徴。この日は街中にグリーンが溢れます
緑色はアイルランドの象徴。この日は街中にグリーンが溢れます

 アイルランド人といえば、お酒が大好きで、血気盛んな国民性で有名。マンハッタンにはたくさんのアイリッシュパブがあるのも、そのためなんでしょうね(笑い)。

 この日はどのアイリッシュパブでも、お祭り気分で盛り上がるアイリッシュ系の人たちで大賑わい。しかも、緑色のビール(!?)も飲めるらしいです!

 ビッグアップルは多種多様な人種が住む街として有名ですが、ここまで大々的なパレードを行う移民はアイルランド系、プエルトリコ系、インド系ぐらいでしょうか。アイリッシュ系やイタリア系の移民は貧しく、昔は危険でキツイ仕事しかできないという事情がありました。警察官や消防官にアイリッシュ系が多いのも、そのためです。

恒例の「聖パトリックスデー」パレードは厳冬のマンハッタンに春を呼び込みます
恒例の「聖パトリックスデー」パレードは厳冬のマンハッタンに春を呼び込みます

 毎年恒例の大パレードは、そういった厳しい環境の中で経済的基盤を作り、アメリカでの生活を勝ち取ってきたアイリッシュ系移民のパワーと誇りの見せどころ、という感じがしますね。そして、寒さ厳しいニューヨークで毎年、春の息吹を感じさせてくれるのが、この「聖パトリックスデー」のパレードなのです。(ニューヨークから鹿目直子。写真も)