10月、すでに秋から冬へと移り変わり始めたマンハッタン島から、一路、だいぶ遅めのバケーションに旅立ったのです。マンハッタンについてお届けしているこのコラムなのですが、たまには気まぐれな海外旅行記もよいでしょう、ということで、今回は旅行先のサントリーニ島について書きます。

 私は数年前から、絶景リゾートを追求するのが人生のテーマのひとつになっています。これは、大都会マンハッタンに住んでいることも、多少は影響しているかもしれませんね。年がら年中、コンクリートジャングルで生活していると、ちょっと疲れてしまい、息をのむほど美しい自然の景色がふっと見たくなったりします。

 世界の絶景リゾートの中でも、最高峰のデスティネーションに数えられるのが、エーゲ海のサントリーニ島。3年前に訪れて以来、その魅力に取り憑かれ、もう1度訪れるチャンスを狙っていました。

 エーゲ海のシーズンは6月から9月。3年前は、シーズンも終わりに近い9月になると、ホテルの料金がちょっと下がり、いいホテルに泊まることもできたんですね。ただし、世界一美しいといわれるサンセットを見るために、世界中から人が集まってくる、島の突端にあるイアという場所は超高級で、グ~ンと値段が下がるというわけでもなかったのです。

 ところが今年、夏ごろからイアでホテル探しをしていたところ、9月どころか、10月になっても料金が一向に下がりません。しかも、1泊20万~30万円なんてザラ。超高級なところになると、1泊60万~100万円なんてところもありました。一体どうなってるのか?と、ものすごく混乱しましたね。

 ギリシャの経済危機で、ついに観光業にも大きなシワ寄せがきたのだろうか?

 これは私の推測ですが、おそらく、お金に糸目をつけない富裕層の中国人観光客の台頭により、値段がバカバカしいほどつり上がってしまったのではないか、ということです。3年前も、中国人の若いカップルだらけだったのですが、今年もシーズンオフに関わらず、やはり彼らの姿が目立ちました。全体の70%ぐらいは、中国人観光客といっても過言ではないぐらい。正直な話、地元の人たちも辟易している感じでした。

 そんなわけで「もう、サントリーニに行くのは無理かも」とあきらめかけていたのですが、10月半ばごろになってやっと、ホテルの料金が下がり始めました。11月になると、ホテルもお店も閉まってしまうのですが、10月半ばからステイできるなら、まだまだお天気もよく、過ごしやすいので「上等」です。ということで、最高に眺めのよい、素敵なリゾートホテルを予約することができて、熱烈に恋焦がれ続けていたサントリーニにカムバックすることになったのでした。絶景は写真でご覧くださいね。次回も「エーゲ海」です。(鹿目直子、写真も)

青い海に優雅に航行するクルーズ船。島の中の街フィラにもたくさんの観光客がやってきます
青い海に優雅に航行するクルーズ船。島の中の街フィラにもたくさんの観光客がやってきます
右前方にはサントリーニのもうひとつのシンボル「ボルケーノ(火山島)」(ホテルのテラスから)
右前方にはサントリーニのもうひとつのシンボル「ボルケーノ(火山島)」(ホテルのテラスから)