- 金沢の人気スポット東茶屋街を散策する女性
新幹線に乗って、秋の観光客はルンルン。金沢、金沢へとなびくようである。
今年3月の開業以来、北陸金沢への旅人気は「予想以上! 実は、ここまで人がきてくれるとは…」というのが、金沢観光に携わる人たちの感想のようだ。
例えば新幹線を利用して金沢入りする人は、昨年までの特急利用客の、なんと3倍になっているという数字もある。
今回は、金沢、福井の観光スポットを巡ってきたが、金沢の東茶屋街の駐車場は平日なのにバスで満杯。旗を高く掲げた「ガイドさん」がぞろぞろ。「ガイドさん」がですよ。もちろん、それに続く観光客もぞろぞろ。
ホテルの朝食バイキングもなんと行列。いかに宿泊客がいっぱいかをうかがわせる。
で、JRも考えました!?
この金沢まで来てくれたお客さんを、一過性のもので終わらせたくない、またリピートしてもらうには…。さらに、周辺まで(例えば能登や、富山や福井まで)足を伸ばし巡ってもらうには、どうしたらいい…。
と、そこで仕立てたのが、今や日本各地で人気の「観光仕様の列車」。特別車両に改装し、食事も豪華に提供し、列車そのものを「観光の目玉のひとつとして楽しんでもらう」。
<豪華観光列車はいかがですか>
- 豪華ホテル内のような「花嫁のれん」の内装
えらい長い前置きになってしまったが、今回、JR西日本で「花嫁のれん」「べるもんた」という豪華観光列車を走らせ始めた。それを、取材に行ってきた、というわけである。
ちなみに、「花嫁のれん」は金沢駅から和倉温泉駅まで約80分。特急列車として走るのだが、1日2往復。食事は4日前までに予約。料金的には、普通に乗車券と指定特急券がかかるだけ。食事を予約しなければ金沢から和倉温泉まで2750円ですむ。ただ、今のところ人気が高く予約もなかなか難しい状況だとか。
で、食も楽しみたい方は、別途食事券も購入となる。
例えば、加賀屋料理長監修の「和軽食セット」(2500円)を注文すれば、能登豚のかつ揚げや、甘鯛の西京焼きなどの入ったお弁当も楽しめるというわけだ。豪華です!
一方、「べるもんた」の方は一車両。「富山湾鮨セット」(2000円)が注文できるのが特徴。土曜日が「新高岡から氷見」まで、日曜日は「高岡から城端」まで2往復する。
- 乗務員の女性も和装でおもてなし
- 「べるもんた」の車両内ではお寿司も食べられる
<「花嫁のれん」に「べるもんた」>
ところで「花嫁のれん」というネーミング。
これは、能登に江戸時代から残る婚礼の風習に由来する。花嫁は結婚式当日、嫁入り道具のひとつとして、嫁ぎ先に「のれん」を持参。仏間に飾ってもらい、それをくぐって嫁ぎ先のご先祖さまに、まずあいさつする。「花嫁のれん」の風習からきている。
「能登のおもてなしのこころ」を連想させる。
車両の外装、内装には加賀の金箔(きんぱく)、加賀友禅、そして輪島塗などをイメージした豪華絢爛(けんらん)な色づけ。車内サービスをしてくれる女性も和装。なにやら高級旅館を訪ねたような80分。
「べるもんた」の方はフランス語で、「ベル・モンターニュ・エ・メール」。美しい山と海という意味。絶景の海岸線、四季折々の山々の風景からこの名前に。
<一乗谷遺跡はまるでポンペイ?>
- 一乗谷遺跡で出逢った美人の案内人?
ところで、今回取材で回ったなかから、お勧めポイントをいくつか。
▼福井市「一乗谷朝倉氏遺跡」
一乗谷は福井市市街地から足羽川の上流に10キロほど入った谷。一乗谷川にそっておよそ2キロの道路が遺跡として発掘された。
それは織田信長軍によって焼き払われた朝倉氏の城下町跡である。
「イタリア、ポンペイが火山の噴火で一気に消えたのに似ています。街が丸ごと焼かれ、それが今、45年もの歳月をかけて発掘され復元されたのです」。
山際に並ぶ武家屋敷郡、ちょうど、ロケのセットのようでもあり、タイムスリップした感がある。きれいな町娘の案内嬢が印象的。
電話0776・41・2330。
▼高岡市「高岡山瑞竜寺」
加賀二代藩主前田利長公の菩提(ぼだい)をとむらうために三代藩主利常公によって建立されたお寺。当時寺域は3万6000坪あったといわれ、今でもまさに威風堂々である。山門、仏殿、法堂(はっとう)が国宝指定。
<金箔体験も簡単、雅!>
- 金箔体験はお手ごろで、お勧め
▼金箔体験。金沢は日本全国の99%のシェアを誇る金箔の街。観光客にも「金箔貼り」体験コースは人気。今回は「美かざり、あさの」さんで体験。1000円で、黒い直径10センチほどのお皿に金箔を貼らしてもらった。さまざまな模様の入ったノリのついたシールを、まず皿の上に貼り、その上に金箔を貼る。実に簡単で10分ほどの作業だが、できあがりはグッド。持って帰れるし楽しいのである。電話076・251・8911。(休みの曜日あり)。