いよいよアユシーズンが開幕だ。和歌山・有田川で友釣りが早期解禁となった1日、二川ダム下流の粟生地区に釣行した。午前6時すぎから植木橋上流に入川。瀬を中心に石周りや岩盤の溝などを止め釣りで攻め、午後3時までに13~16・8センチ52匹を追わせた。追い星くっきりの野アユが活発な追いを見せてくれ、若アユの引きを存分に楽しんだ。これからが楽しみだ。

 アユ解禁初日を堪能した。午前6時すぎ、植木橋の約300メートル上流から入川。このポイントは大石のトロ場から中洲になり二股に分かれている。右岸の早瀬はすでに2人がサオを出しているのであいさつをし、私は左岸の流れに入る。平水で濁りなし。起伏のある岩盤底と石の入った瀬で、アシや木があり釣りづらいところもあるが好ポイントだ。仕掛けをセットしながら水中の様子を観察していると、早朝の低水温にもかかわらず野アユが追っているのが確認できる。これは期待できそうだ。

 オトリを送り出し岩盤の溝をゆっくりと引き上げると、ギラッと2匹のアユがもつれた。慎重に引き抜きタモに収まったのは、15センチの追い星がくっきりと出たきれいなアユ。胸が躍る。素早くオトリを交換して送り出すと、元気に上流に泳いで行く。ククッと揺れ、目印が吹っ飛ぶ。予想以上に活性が高く、しばらく入れ掛かりになり、テンションが上がる。

 日差しが届きだした同8時すぎ、反応が少なくなったので移動しようと思ったが、解禁日で釣り人が多く動けないため、もう少し粘ることにした。

 時々、岩盤の上にエサを食いに出てくる群れアユがおり、群れにオトリをなじませるとクルクルと針がかりする。石周りで止め、オトリを少し持ち上げ尾ビレを振らせて誘いを入れるなど変化をつけながら丹念に攻めると、追いが続き同11時半まで37匹。ここで昼食をとりしばし休息。

 釣り人が少なくなってきた午後1時ごろから右岸の早瀬を攻める。オトリをゆっくり引き上げながら大石の前で止めると、ガツンとサオにダイレクトにくるアタリ。瀬の中を走りまわり、なかなかの引きを見せたのは16・8センチの真っ黄色のよく肥えたアユ。人頭大以上の石に狙いを定め探っていき、同3時までに13~16・8センチを52匹の釣果。解禁初日、半年ぶりのアユ釣りを存分に楽しんで川をあとにした。【日刊FPC・下田成人】

 【今後の見通し】今年は天然遡上(そじょう)が昨年よりも多く、魚影は濃い。小型の海産アユがたくさん見えているので水温が上昇してくると、型も良くなり活性が上がってくるだろう。ダム下流は梅雨明けごろから本格的シーズンを迎え、例年10月下旬までは友釣りが楽しめる。

 【問い合わせ】有田川漁協【電話】0737・52・4863。早期解禁年券1万4040円、20日からの一般解禁年券1万800円、日券3240円。

 【交通】阪和自動車道の有田ICを有田・金屋方面へ出て信号を左折。県道22号、国道424号、同480号を経由し清水方面へ。岩倉発電所を過ぎて約1分で植木橋周辺に出る。