初夏が旬のアジを釣ろう! この時期は最も脂がのって<食べごろ><釣りごろ>のシーズンで、東京湾を中心に各地で好釣を展開している。釣り方は比較的簡単でビギナーでも楽しめるが、一方で潮況によって釣果が左右されることも-。先ごろ、横浜・金沢八景の「太田屋」でライトタックル(LT)の釣り教室が実施され、攻略のヒントになったのは<コマセワーク><タナ取り>だ。

 「太田屋」のLTアジ釣り教室はまず、午前便から始まった。参加者は、釣り歴3カ月で教室初体験の菅野明彦さん(47=川崎市)だ。池田芳之船長(60)の操船で入った釣り場は目と鼻の先で水深が10~20メートルライン。早速、右舷のミヨシ(船首)で菅野さんは講師役の加藤雄二さん(60=日刊釣りペン・クラブ)からアドバイスを受けながらサオを出した。

 ところが、肝心のアジの食いが極端に渋い。潮色が澄みすぎに加え、上層と下層の潮流れが違う二枚潮でタナが取りづらく、同乗するベテラン勢も苦戦の中、菅野さんは底着後、コマセ(イワシのミンチ)を振りだしながら底上2メートルにタナを合わせて待つ-と、サオ先にクンクン…躍り上がったのが25センチ余りのアジだ。

 しかし、どうシオもない条件は変わらずストップフィッシング。菅野さんは3匹ながら、それでも船中のサオ頭で「今度は条件のいいときに数を狙いたい」と話す。

 続いて、午後便での釣り教室は、軽部弦さん(36=神奈川県鎌倉市)時子さん(35)夫妻が、航クン(9=小4)真帆ちゃん(7=小1)を連れて、初めての船釣りのアジに挑んだ。このあたりから雨が降り出したが、潮がいくらか流れ、釣況は一変! 右舷に並ぶ軽部さんファミリーのサオが忙しく反応したのだ。

 加藤さんの指導を受けつつ、仕掛けが底に届いてからコマセを振りだしてタナ取り後、すぐサオ先にクンクン…20センチ弱から時折、30センチ近い良型も交じり、中でも時子さんが連発で取り込む。

 まさにアジの気まぐれさを物語る展開で、航クンが「ボク、7匹釣った」と言えば、真帆ちゃんも「ワタシは6匹」と大はしゃぎ! 最終的に軽部さんファミリーは計40匹余りを収め、子供たちは口をそろえて「また釣りたい」とご機嫌だった。

 LTアジは、軽量&細めのタックルを使うので、引きは強烈さを増し、ひとアジ違う釣りアジが面白い。浅場が中心で初心者にも釣りやすく、「太田屋」では50~60匹台の爆釣が出るなど今がチャンスだ。【長瀬川忠信】

<加藤さんのアドバイス>

 ◆コマセワーク&タナ取り 仕掛けが底に届いたら糸フケを取り(張り)1メートル巻き上げてコマセをまき、さらに1メートル上に移してコマセを振りだす。アジに食いつかせる時間も必要なのでそのまま少し待って、アタリがなければ再び落とし込み、同じように繰り返す。2~3回繰り返せば、大抵コマセはなくなります。タナは底から2~3メートル上が目安で、潮流れがきつく糸が斜めに出るようなら3メートル上にタナを合わせる。仕掛けは、慣れない人は2本バリの方が扱いやすい。

 ▼船 日刊スポーツ新聞社指定「太田屋」【電話】045・782・4657。LTアジの乗合は午前7時20分出船と午後0時30分出船の2便で各エサ&コマセと氷付き6200円、両便通し利用の場合は9500円。女性&子供は割引サービスあり。ほかにルアー使用のタチウオ船も出漁中。毎週木曜日定休、HP<http://www.otaya.net/>

 ※「太田屋」では次回、LTアジの釣り教室を26日(日)午後便で実施する。当日は午前11時30分集合で午後4時半ごろ納竿(のうかん)の予定。参加費無料で乗船料は女性と子供の割り引きあり。

 ▼交通 電車は京浜急行線・金沢八景駅から送迎バスが利用できる。車利用の場合も含め詳細は要確認。