大魔神はやっぱりタイ魔神だった!? 前回、「次は赤いものを釣りタイ」と宣言した日刊スポーツ評論家の佐々木主浩さん(47)が選択したターゲットは、ダイ好きなマダイだ。南伊豆・手石(静岡)の「米(よね)丸」からアタック。大魔神が釣りの師匠とする加藤雄二さん(60=日刊釣りペン・クラブ)も同乗し、くしくも“師弟タイ決”となったが、“完封”に抑えるダイ勝利で今年の釣戦を締めました。その報告ルポをどうぞ-。

 実は今回、当初は紅色の魚体で「超」の字が付く高級魚キンメダイを狙う予定だったが、この日は北東の強風が吹き荒れ、「米丸」の肥田定佳船長(50)によれば、釣り場のコンディションが悪すぎて釣りにならないという。そこで、赤でもピンク系のマダイにチェンジした次第。しかし、海は悪かった。

 釣り場の神子元(みこもと)島海域に入ると、大波小波で船も大揺れ。それでも、佐々木さんは例によって、ラッキーポジションとする右舷ミヨシ(船首)に陣取り、加藤さんは同トモ(船尾)でサオを出した。船長の指示ダナは上から40~45メートルでそれより5メートル下まで落とし込み、コマセを振りだしつつタナへ運び、置きザオでアタリを待つ-。

 潮温は21度台で、この時期としては高めながら、ぶっ飛び潮でラインが斜めに流され風波でサオがハネてアタリも取りづらく苦戦の展開に-。そんな中で3投目、風でブレる佐々木さんのサオ先にブルブルン…少し間をおいてソーッとサオを立てるとギュギューンッ! 海面を割って躍り上がったのがマダイで1キロの食べごろ。次に1・2キロを取り込んで大魔神ニッコリ。

 加藤さんにもヒットしたが、こちらは30センチ弱のイサキだった。サオは佐々木さんより少し短く、置きザオではハネて不利とみたか、手持ちザオで誘ったり“あの手この手作戦”でタイ応するものの、イサキ…イサキのオンパレード。「風と波があるときはサオは長い方が有利」とポツリ。

 しばらくして佐々木さんにまたまたヒット! これまでにない猛烈な引きでサオが折れ曲がった。船長の「デカいゾ」の声にやりとりも慎重になり、横で加藤さんが取り込む態勢-。ここで加藤さんの置きザオがググーンッ! 何かが食いつき、やたら走って、大魔神のラインに絡んだ途端にフワ~…ハリスが切れてバレた。走り回ったのは50センチ近い丸々としたソウダガツオ(ヒラ)で、加藤さんの「うまソウダ」にガックリ!

 風はますます強くなり、午前10時に早あがりとなったが、師弟タイ決は2タイ0で佐々木さんの“完封勝ち”。加えて、先の「オリオンステークス」(13日=阪神)で愛馬シュヴァルグラン(3歳牡)が勝利したこともあって「いい締めになっタイ」とほえ、「来年も頑張るゾ」と宣言。意気はますます盛んなようでして-。【長瀬川忠信】

 ▼船 日刊スポーツ新聞社指定「米丸」【電話】0558・65・1060。マダイの乗合は予約制で午前6時集合が目安。付けエサ&コマセと氷付き1万4000円。希望でキンメダイも出漁中。詳細は要確認。HP<http://blog.yonemaru.net/>

 ▼交通 車利用が便利。東名・厚木インターから小田原厚木道路で真鶴道路と熱海海岸道路を経由して下田に入り、国道136号を下賀茂方面へ進み、弓ケ浜温泉口を右折して道なりに走り、南伊豆漁協裏に「米丸」の船着き場がある。