ヤリイカが絶好調だ。毎年、この時期になると「このヤリイカはどのぐらい続くんだろうか?」が話題になる。大丈夫、今年は大丈夫! 静岡・駿河湾から始まって、いきなり茨城・鹿島沖でわいてきた。東京湾でも数が上がってきている。ヤリイカ、今年は大チャンスですよ! 夜釣りで、浅い水深30メートルで、しかも50センチ超をゲットできる静岡・戸田(へだ)をリポートする。

 久しぶりのヤリイカだ。これだけ釣れるのは、かれこれ3年ぶりだ。ただ、3年前は釣れた期間が短かった。今年は、どうやら長そうだ。

 西伊豆・戸田「たか丸」(野田孝船長)から連絡がきた。

 野田船長 おーい、今年は本物だなぁ。ヤリイカの大きさも数も申し分ないぞ。早く来た方がいいよぉ。

 ヤリイカは日中に150~200メートルの底を狙うが、戸田の場合、夜釣りでしかも水深は30~40メートル。浅い。オモリも120~150号ではなく、80号でいい。電動リールを使わずとも楽しく釣りができてしまう。

 攻略するなら基本は底。オモリが着底したら、ちょっとだけ浮かす。アタリを待つ。しばらくするとサオ先がブルンと震える。ヤリイカが乗った証拠だ。慌てずに巻き上げる。

 ヤリイカで注意しなければいけないのは、海から出てきてすぐにプシュー、と潮を吹いて反撃してくる。直撃してしまうこともあるので気をつけたい。潮を吹いた直後にはスミも噴射する可能性もあるので、船の中に取り込んだら、プラヅノやスッテを素早くひっくり返す。返しがないので、すぐに外れてバケツに直行させられる。

 さて、たか丸での釣行だが、どうもうまくなかった。結果からいうとタコボウズ記者は午後4時発の船に乗って18匹。拾い釣りのような感じで、マメに底取りをした常連さんがなんとか60匹台に乗せていた。

 野田船長 うーん、群れがいないだよ。こんな日もあるズラ。

 ちゃっかりしているのは、この直後の同11時便で96匹が出た。

 野田船長 群ればかりはわからない。でも、今年はいいなぁ。まだまだ、いい思いはできると思うけんどなぁ。

 夜中の西伊豆。大きなサイズは55センチが釣れた。たか丸なら船の後方で炭もたいているので、釣りたてを軽くあぶって食べられる。おいしいヤリイカ、やってみませんか?【寺沢卓】

 ▼船 戸田「たか丸」【電話】0558・94・3214。午後4時と同11時出船の2便。氷付きで8000円、通しは1万3000円。