第35回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権(主催・がまかつ)が4~6日の3日間、長崎県五島市の福江港を拠点に開催された。全国の予選を勝ち抜き、ここ3年の優勝者と昨年の準優勝、3位と推薦1人のシード選手を含み、青森から沖縄まで48人が集結して覇を競った。優勝は、G杯全国大会進出3度目の中司(なかつかさ)亮さん(38=福岡県岡垣町)が初栄冠を手にした。

 決勝では、地元長崎のベテラン加藤直さん(55)と対戦したが、序盤から飛ばした中司さんが3980グラム(6匹)で加藤さん(560グラム=1匹)を圧倒して、予選リーグから7戦無敗で文句なしの王者となった。残り1分で道糸が絡まって、終了時に仕掛けが海中にあると失格になるが、道糸を切って、最後は手で仕掛けをたぐり寄せて残り30秒で事なきを得た。

 中司さんは「最後にこんなことがあるなんて」と苦笑いして「夢のG杯で勝てるなんて幸せです」とかみしめるように語った。仕事は自動車修理のフロント業務で、接客のプロだけに記者に囲まれたインタビューでも理路整然と的確に真面目に答えていた。釣りは幼少からやっていたが、転勤で東京に数年住んでいたときはまったくサオを握らなかった。磯メジナを本格的に始めて10年。「来年も勝てるように頑張りたい」と控えめに連覇を口にした。

 ▼成績 (1)中司(2)加藤(3)西森康浩(4)幸森大輔