今年、関西の釣り場は例年より少し早く産卵の時期を迎えそうで、産卵場所の浅場にヘラブナの姿を確認したとの情報も入っている。今回はそんな春の産卵を意識したヘラを狙う釣り方を管理池で試みた。2月19日、和歌山・紀の川市にある「釣り堀センター菊水」に釣行。月イチで行われる池主催の1匹長寸大会に参加。大型狙いが決まり、38~46・9センチを6匹。総勢79人が参加した大会で優勝することができた。

 午前6時、釣り場に到着。最近、浅場で大型が釣れていたことから、産卵を意識し浅場に来た大型を狙う作戦。池奥より5マス目の外向きに入り、13尺で2メートルのかけ上がりを狙う。池の平均水深は3・5メートル。両グルテンの底釣りで臨む。

 寄せを意識し、ウキを動かしていくのではなく、大型は回遊と割り切り、余計なアタリには手を出さず、しっかりとしたアタリのみを狙う。エサ打ちペースもスローだ。打ち過ぎると小型が寄ってしまい、先に口を使う。寄せ効果が弱く、待てる。それも両グルテンを選んだ理由だ。

 同7時にエサ打ち開始。中指の爪ほどの大きさのしっかりしたエサを打ち込む。かけ上がりのため、タナ取り時よりもウキが上がるのでエサ落ち目盛りから2節ほどなじむようにウキを少しずつ下げていく。かけ上がりは正確に水深を測るのが難しく、実際にウキを見ながらエサ落ち目盛りより2節なじみになるように調整する。かけ上がりの底釣りの重要なポイントだ。

 手前の事務所寄りの例会組が早々にサオを曲げるなど大型が釣れ、次々に40センチクラスが検寸台に運ばれる。私のウキも3投目でフワフワと触るがカラツン。次の1投でなじみながら触り、フワフワと長い触りの後にドンッと1節アタる。すかさず合わせるとゴンゴンと力強い引き。サオを胴から曲げる大型だ。水面に顔を出したのは、40・5センチといきなりの40センチ級だ。

 開始1時間後、静止していたウキが突然チクッと入る。合わせるとすごい重量感。デカイ。慎重にやりとりし、ジワジワと寄せながらタモに納めたのは46・9センチ超の大型。素直にうれしかった。作戦がうまくいった。ヘラのおなか周辺は赤くなり、産卵で浅場に来ている個体だ。

 今回は大型にこだわった釣りを貫き通した。昼休憩後、40センチ、39センチを追加。夕方終了前に立て続けに38センチ、41センチを釣り上げ納竿。大会も46・9センチで優勝でき、大満足の1日となった。【日刊FPC・土屋直人】

 【エサ】「新べらグルテン底」100、「グルテンα21」50に水150を入れ、ムラがなくなるまで混ぜて5分放置後、エアーを抜き使用。単位はcc

 【今後の見通し】数は15尺以上の浅ダナセット(タナ1・2メートル)、尺前後のチョウチンセットが安定している。大型はやはり18尺以上の両グルテンを使った底釣りか宙釣り。この日は30匹の40センチ超の大型が上がっている。春に向かうにつれて上向きな状況が期待できそうだ。

 【問い合わせ】釣り堀センター菊水【電話】090・5249・7812。釣り料金は1日2000円、午前11時からの半日は1200円。女性・中学生以下は1000円。営業は午前7時~午後4時。年中無休。毎月第3日曜日に池主催の長寸大会も行われる(参加者多数のため要予約)。また20人以上の釣り人がいれば、長寸上位3位までに景品がもらえる。ほかにも、月間長寸賞や42センチ以上のヘラブナを釣るとはちみつがもらえるなどの企画あり。新たに春休みから、誰でも参加できる金魚釣り、メダカすくいも開催する。

 【交通】阪和自動車道の和歌山北ICを出て和歌山バイパス(国道24号)を東へ。那賀高校前の信号を左折し県道131号を北上。同7号を越え、右手に和歌山県植物公園緑花センターが見えたら右折し池へ。