大魔神こと佐々木主浩さん(49=日刊スポーツ野球評論家)が御前崎で春のマダイを調査してきた。これは明日11日からスタートする「駿河湾マダイダービー」の試釣だ。ん? もしや…そう、今回は、大魔神いわく「ダービーに参加する。本気で勝ちにいく」とブチあげた。実釣はシケとWBCの谷間となった6日。マダイには出会えた。さあ、今春のダービーを占う大魔神の釣果やいかに!

 前日、吹き荒れた暴風が、きれいに消えていた。大魔神にとっては人生初の静岡・御前崎。そよ風の御前崎デビュー戦となった。

 「博栄丸」大沢洋輔船長は「佐々木さんは、何か持ってるのかな。釣りをするには、いいコンディションの日を引き当ててるもんね。今年は、海が荒れて船さえ出せない日ばかり。佐々木さん、持ってるねぇ~」と大魔神を大絶賛した。

 船が港から離れて約10分。まだ本格的なマダイの乗っ込みシーズンにはなっておらず、港からすぐのポイントで様子をみた。水深50~60メートルで、回遊してくるマダイを待ち受ける。タナは海面から30~45メートル。大魔神は、コマセをまいたら、ロッドキーパーにサオをセットして「ヘタに手でサオを持つよりも、船の揺れで誘うほうが自然な動きをするはず。マダイは辛抱と集中力。WBCも同じですよ」と何やらマダイ釣りに野球論が絡んできた。どーいうことだ?

 開始から立て続けにマダイがヒットした。ただし、ピンク色の700~900グラムで1キロになかなか届かない。体に黒ずみもないため、乗っ込み時期には早いともいえそうだ。

 大魔神のサオがギュン、ギュギュンとしなった。鋭さはないが引く。上げてみると80センチ級のホシザメ。

 大魔神 なんとなく、ぬるんとしたアタリで、巻きながらマダイじゃないのは分かった。次だ、次!

 今度こそ…その念が通じたのか、立て続けに大魔神のサオがしなった。巻き上げると美しいウグイス色のイサキだった。なかなか本命がこない。

 大魔神が席を立った。サオは固定。足は動いて釣り座から離れても、大魔神の視線はサオ先から離れなかった。

 大魔神 おそらくサオを持つ手から釣りたい気持ちが流れて、魚に伝わる。その殺気を消さないと。

 そう話した直後から、大魔神のマダイのヒットパレードが連発した。

 マダイのアタリを大魔神がつかめたのは、ちょっとした小技も折り込んだからだ。置きザオで放っておくだけではなく、ちょっとシャクって魚の気をひいたりしていた。

 大魔神 マダイの反応はシブい。でもマダイはいる。そのシブいマダイをどう動かすか。ちょっとした小技が必要なんです。気付いたことは何でもやってみましょう。小久保ジャパンも「4番にバント」みたいな戦術も必要だろう。

 序盤は苦戦した大魔神だったが、後半は追い上げて1キロ超を筆頭に5匹。

 大沢船長 手のこなしが慣れてます。まだ、大きなマダイが動いていない。桜の咲くころに本格化すると思う。ただ、昨年はダービー初日に10・6キロが出たからね。

 きれいなピンクのマダイをみた大魔神。12年前にはジャスト11キロという大きなマダイを釣り上げた。

 大魔神 今年は、このダービーにでますよ。ちゃんと、勝ちにいくシナリオを組んでいます。読者のみなさんも参加してください。

 御前崎のマダイ、もうそろそろ、やる気スイッチが入りそうだ。【寺沢卓】

 ▼駿河湾マダイダービー 今年で4年目。「春ダイ乗っ込み期限定大会」で、今回は明日11日(土)から5月14日(日)に実施。期間内であれば何度でもチャレンジできる。参加費は最初の釣行で1000円、参加賞として「日刊スポーツ」ロゴ入りギョサンを進呈。計量は3匹の合計重量で魚の入れ替えは1匹からできる。参加の船宿は御前崎「博栄丸」、大井川港「海政丸」、久料「魚磯丸」、戸田「たか丸」、安良里「ふじなみ丸」の5地区。ダービー登録すれば、どこからでも出船できる。

 また、15日(水)からは東京湾を舞台にした「Tokyo Bayマダイダービー」もスタートする。参加船宿は富浦「共栄丸」、勝山「宝生丸」、八景「太田屋」、久里浜「大正丸」の4地区。こちらもルールは同じで終了も5月14日。