<フィッシング・ルポ>

 底釣りでV!

 「2008日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」湖川ブロック・ヘラブナ部門上半期決勝大会が10日、山梨・西湖で行われた。3地区の予選会を勝ち進んだ計11人が参加。前日の大雨の影響で食い渋る中、底釣りに徹して断トツの6・1キロ(14匹)を収めた地元西湖代表の神原敏夫さん(60=東京都中野区)が見事、優勝の栄冠に輝いた。以下は審査委員長も務めた日刊釣りペン・クラブの関川康夫さん(55)がルポする。

 今決勝大会の競釣エリアは、溶岩地帯の「高松ロープ」から「喉ッ首」を経て「供養塔下ロープ」まで、対岸は「ヒラ」のワンドから「光岩」にかけての範囲に決められた。

 西湖ではここ数年、ヘラブナが大型化し、ダイナミックな釣りが復活しつつある。参加したのは、神奈川・相模湖と同・芦ノ湖、それに西湖の予選会から選出された計11人。それぞれ大型をターゲットに、溶岩地帯のポイントを選択。近況では、サオ18~19尺(約5・4~5・7メートル)いっぱいを、麩(ふ)系の両ダンゴエサで攻め20匹前後の釣果が出ていたが、多くの選手は日曜日の食い渋りを想定してか、21尺(約6・3メートル)前後の長ザオからスタートした。

 しかし前日、雷を伴った大雨が降った影響でモジリは少なく、ヘラの食いは渋り気味。高松ロープにいた芦ノ湖代表の佐藤雄二さん(57=東京都足立区)は、それを読み、バラケとグルテンのセット釣りにチェンジして数を伸ばした。供養塔下ロープに入った相模湖代表の桜井崇博さん(55=東京都品川区)は、カラツンとジャミの中から30センチ超の大型をそろえていく。

 そんな中、喉ッ首の岸着けで1人、底釣りで奮闘していたのが神原さんだ。溶岩地帯の底は起伏が激しく根掛かりが多い。それを覚悟の上で底を狙ったのは、「釣り人が並ぶと食いは渋るが、底釣りならポツポツ釣れ続くと考えた」という作戦がズバリ的中!

 日中は潮が引くようにアタリが消え、対応に苦しむ選手をよそに釣り込む。午前10時に風が吹き湖面が波立つとペースが上がり、後半は独壇場。正午の競釣終了までに6・1キロを収め、ぶっちぎりで優勝を勝ち取った。

 2位は24尺(約7・2メートル)の超長ザオで深いタナを攻めた佐藤さんが4・4キロ、3位に3・4キロの桜井さんが食い込んだ。神原さんは「読み通りの釣りができてうれしい」と話した。

 ■関川康夫評

 溶岩地帯の底は起伏が激しく、底釣りは敬遠されがちだが、神原さんはあえて挑み、見事に釣果を伸ばした。ウキがサオ先いっぱいのため、長ハリスでエサのズラシ幅を調節し軽めのエサでヘラの食い気を誘うなど、細かなテクニックが勝利を呼び込んだ。

 西湖は、今後も現在の状況がしばらく続くと思われる。ウキの動きが良ければ両ダンゴで、渋ければバラケ&食わせのセット釣りがいい。食わせエサは「ヒゲトロ」「一発」にグルテンなど使い分けて、その日のヒットエサを見つけることが大事。ハリスの長さは、ヒゲトロなら15センチと20センチの短めが基本で、ほかは上が15センチ、下は60センチから探っていきたい。

 ◆賞

 優勝した神原さんには、がまかつ提供の高級ヘラザオ「がまへら

 天也翔抜(てんやかけぬけ=並継)丈八」(約8万1500円相当)と、カシオから天候の変化を予測する<気圧計測>などアウトドアをサポートする機能を搭載した高級時計「プロトレック

 PRW-1500-1JF」(写真=約4万5000円相当)など豪華副賞が贈られた。

 「2008日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」ヘラブナ部門下半期は別表の3地区で実施。11月15日(土)の三島湖「グランドチャンピオン大会」を目指す。

 <主催>日刊スポーツ新聞社、日刊スポーツ新聞社指定・共栄会

 <協賛>がまかつ、マルキュー、スターマリンクラブ、カシオ、カーチス、デューク、箱根湯本ホテル、ピュア・フィッシングほか

 ▼問い合わせ

 日刊スポーツ新聞社指定「樹海荘」(電話)0555・82・2387。出舟午前5時。入漁料600円(放流バッジ持参者500円)女性&中学生半額、小学生以下無料。ボート1人乗り2500円から。

 ▼交通

 電車は富士急行線・河口湖駅からバス西湖根場行きで樹海荘前下車。車利用の場合は別図参照。詳細要確認。