<フィッシング・ルポ>

 5年ぶり復活Vだ !

 「2010日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」湖川ブロック・ブラックバス部門の決勝大会が22日、茨城・新利根川で開催された。6地区18人の予選通過者とシード選手(昨大会覇者)の計19人で競った。厳しい暑さの中、5匹の総重量勝負だったが、5人が制限をそろえる高度な戦いが展開された。勝ったのは椎谷(しいや)勝義さん(42=君津市)。3340グラムの70グラム差で、くしくも5年前に同所で行われた決勝大会以来2度目の栄冠だった。

 大接戦だった。ボウズ(釣果ゼロ)続出も予想されたが、5人が制限5匹を釣り上げて帰還した。その中でひたすら上流域を目指した椎谷さんが3340グラムで5年ぶり2度目の優勝を飾った。前回優勝したのも新利根川だった。「信じられないです。この場所とは相性がいいとしかいいようがない。だって、プラクティス(試釣)で訪れたのは、優勝以来5年ぶりですから」と表彰式で参加者を笑わせた。

 釣況は厳しかった。入道雲が青空にポツン、ポツンと浮かび、気温は34度まで上昇。水温も太陽が上がる前から29度前後と高かった。上流から茶色の濁りが漂い、19人中9人が下流を目指し、昨年3位の中村正人さん(43=日野市)が松屋前でロッドを振った。残り9人が上流を目指したが、競技エリアの最上流まで約30分かけて移動したのは椎谷さんと準優勝した谷中康浩さん(34=多摩市)だけ。

 椎谷さんは5年前も最上流で40センチオーバーを連発し、2680グラムで制していた。「プラ(プラクティス)でも同じ場所を狙って結果が出ていた。ここしかないと思っていました」と振り返る。ただ、5年前はラバージクを宙層で泳がせてキャッチできたが、今回は反応なし。そこでスピニングタックルだけで、沖の隠れたクイ周辺をダウンショットやワームにシンカーを打ち込んで動きにアクセントをつける「ネコリグ」で40センチオーバーを含む5匹を午前中にそろえた。

 近くでキャストしていた谷中さんは、アシ際から離れたポイントにテキサスリグを打ち込んでフォール(落とし込み)を中心に8匹をキャッチし、次々に入れ替えていった。「何をやっても釣れた。ここは激アツポイントでしたね」。最後は15分を残してロッドをまとめ、余裕の競技終了だった。

 注目された2連覇中の服部健(たけし)さん(43=小金井市)は残り1時間で2匹を立て続けにキャッチして実力を見せつけ5匹をそろえたが、6位に終わり「来年は6回予選を戦うつもりでまた決勝に戻ってくる」とリベンジを誓った。長野県佐久市から通算6回のプラを重ねた林博士さん(46)も5匹をキャッチして4位に食い込み「もう優勝するまで続けます」と熱は冷めなかった。

 エレキのトラブルで40分かけて戻ってきた椎谷さんが70グラム差で谷中さんをかわして勝利をつかんだ。勝者には次大会の会場選定の権利がある。椎谷さんは「ぜひ、ぜひ、ぜひ、カメで」と04年以来7年ぶりの開催となる亀山湖を指定して幕を閉じた。

 〈主催〉日刊スポーツ新聞社、日刊スポーツ新聞社指定・共栄会

 〈協賛〉がまかつ、マルキユー、カシオ計算機、香港政府観光局、デューク、箱根湯本ホテルほか

 ▼問い合わせ

 日刊スポーツ新聞社指定「松屋」 電話 0299・79・1369。予約は午後8時まで。出舟は朝5時。手こぎ2500円。エンジン付き5馬力7000円、同エレキ付き1万円。8馬力9000円、同エレキ付き1万3000円。毎月第4木曜は定休。

 ▼交通

 車が便利。東関東自動車道大栄インターから国道51号~同125号を経由し、新利根橋上流。