在米17年の国際弁護士の吉田大氏は6日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」（月～金曜午前8時）に出演し、ドジャース大谷翔平投手（29）の口座から不正に違法ブックメーカーに1600万ドル（約24億円）を送金したとして追訴された元通訳の水原一平容疑者（36）をめぐり、現段階で予想される量刑を現地当局のガイドラインに沿って解説した。

水原容疑者の罪状認否は今月9日に行われる。吉田氏は当日の流れについて、水原容疑者が容疑を認めるか認めないか、裁判官に確認されるとし「だれかに脅されていないか、本当にあなたの自由意思なのかと確認される。認める場合は陪審員の裁判はなくなる。権利義務を確認する重要なステップ」と、指摘した。

現段階で想定される量刑については、「今回は非常にユニークな点がある。犯罪が銀行詐欺1本にしぼられているが、通常は銀行詐欺は1本ではなく、電信詐欺、郵便詐欺のような合わせ技を（当局は）打ってくるが、今回は1本。ほかに参考にできる判例がない」と、珍しいケースであることに触れた。その場合に、量刑について想定できる「連邦量刑ガイドライン」というものが米国にはあるとし、そのガイドラインに沿って、どれくらいの量刑になるかを推測した。

吉田氏は「銀行詐欺は非常に重い罪なので、ここで7ポイント入る。被害額も日本円で20億円以上で、ここで20ポイント（が追加される）。また、今回通訳としての信頼を裏切ったことで2ポイントと、ぽんぽんポイントが上がってくる」と指摘。一方で「迅速に責任を受け入れ、当局にむだな手間をとらせなかった場合は、最大でマイナス3ポイント。一部報道では初犯といわれているので、2ポイントマイナスになり、合計24ポイント。このガイドラインの表に基づくと、4年3カ月から5年3カ月が、ひとつの目安になる。有罪と認めた場合はそうなる可能性がある」と述べた。

一方で、認めなかった場合については「24ポイントのうちの（当局にむだな手間を取らせなかったという）マイナス3ポイントがなくなり、27ポイントになる」とし、その場合は「5年10カ月から7年3カ月という量刑になる。ガイドライン上ではそういう規定になっている」と指摘した。