和歌山・日高川龍神地区に6月18日、香り高い美形アユを求めて釣行した。渇水が続いていたが、2日前の雨で水位が回復し水況は良好。午前8時すぎから温泉上流に入り、大石や岩盤などの残りアカを止め釣りで攻めると好反応。野アユが活発な追いを見せた。午後からは梅津呂橋下流でも縄張りを持った良型がサオを絞り、午後2時半までに13~21センチを35匹。梅雨明けからの最盛期に向けて好感触を得た。

 午前8時すぎ、龍神温泉街から約200メートル上流に入川した。水位はほぼ平水で濁りはない。渇水が続いていたが、2日前に雨が降り、小さな石のアカは飛んでいるが、大きな石や岩盤にはアカが残る好条件だ。

 まずは瀬落ちから始める。左岸際の石色が良く期待できそうだ。ワクワクしながら仕掛けをセットしオトリを送り出す。石の頭に入れ止めるとガツン、ギュィーンと目印が走る。慎重に引き抜きタモに収まったのは、16センチのスイカのような香りが漂うきれいなアユだ。あまりの追いの良さに思わずニンマリしてしまう。

 オトリを交換し、瀬にある大石裏の白泡の中に引き込むとグルグル、ビューンと一気に下流に突っ走る。18センチの美形だ。続いて13センチ。これは小ぶりだったが、追い星くっきりのやる気のある野アユ。しっかり縄張りを持っており、いれば反応が早い。止め釣りで残りアカをどんどん探って行くと、爽快に目印を飛ばしてくれる。

 同10時ごろには日差しが届きだし梅雨とは思えない最高のアユ釣り日和。水温の上昇とともにアユの活性もさらに上がり、順調にサオを曲げてくれる。午後0時半までに13~19センチを27匹で場所を移動した。

 同1時ごろ、梅津呂橋下流に入る。段々瀬の棚から始めるとガツンと激しいアタリで20センチの良型がヒット。テンションがあがる。

 岩盤のトロ場を攻めれば、鼻先がとがった真っ黄色の14~15センチが続き面白い。釣り下ると瀬が流れ込む淵の頭に大石が並ぶポイントに出た。石の間にオトリを止めた瞬間、目印が水中に引き込まれ、上流に走る。重量感のある引きを楽しみながら慎重に浮かせ引き抜くと、バッチリ背掛かりで体高のある21センチだった。

 その後、14~17センチを4匹追加。活発な追いに夕方まで釣りたかったが、所用のため同2時半に後ろ髪を引かれながら川を後にした。【日刊FPC・下田成人】

 【今後の見通し】サイズにばらつきがあるが、水温の上昇とともに型が良くなるだろう。今年は6年ぶりにくみ上げ放流され、海産は梅雨明けからがベストシーズン。終盤まで活発な追いが期待出来そうだ。

 【問い合わせ】食堂松阪【電話】0739・79・0259。入漁料は年券1万800円、日券3240円。同食堂の松阪正澄さんが現地の情報に詳しい。

 【交通】マイカー利用で、湯浅御坊道路の有田ICから県道22、国道424、同425、同371号を経由して龍神へ。