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第348回    宮地真緒  
2003.02.02付紙面より


“夢、満天” 強く願えば必ず

宮地真緒  NHK朝の連続テレビ小説「まんてん」。鹿児島の屋久島に生まれ育った少女・日高満天が、宇宙飛行士を夢見ながら青春を真っすぐに生きる話。現在、佳境に入り「宇宙に行けるか、満天?」と、視聴者からの問い合わせも多く反響も上々だ。満天を演じる宮地真緒に会った。きょう19歳になる彼女も、満天同様、青春を、今、真っすぐに生きている。

(写真=大阪城を見下ろす場所で撮影をした。相手の目をじっと見て話す。ちょっとドキッとする。内容がきついことでも、関西弁でやさしく包んで話していた。取材現場にほんわり暖かムードを醸し出してくれる人だった。淡路島で育った自然児は、大きな夢をかなえる可能性を感じさせた)


みみず腫れ

 芸能界入りのきっかけは、ホリプロのタレントスカウトキャラバンだった。

 大阪地区予選。応募者9000人。今から3年前。高1の夏のことである。

 兵庫・淡路島で、芸能界にあこがれていた宮地は1次審査で、自分の順番が来る前、あせりにあせっていた。

 自分の前の子たちは自己PRとして、宙返りやバレエを踊ってみせる。でも、自分は、何の特技もなかった。「どうしよう、どうしよう…」。

 宮地 私の体質なんですけど、皮膚をひっかくと、みみず腫れになって浮き上がるんです。そうだ、もう、ほかにない。これしかないって(笑い)

 −−ひっかいた

 宮地 ひっかいた。5分ぐらいで浮き出るから、もうすぐ私の番って時に、腕をひっかいて、宮地真緒って書いたんです。で、「特技はないですけど、こんなんできます」って。

 審査員は「しょーもない」と笑っていた。が、印象が強かった。結局、大阪地区予選の通過者3人の中に残れたのである。これがきっかけとなり、芸能界入りを果たした。

 ドラマに話を戻そう−。

 「夢を描きにくい時代だからこそ、無鉄砲なぐらいに大きな夢に向かい、元気に生きて欲しい」。

 これが脚本を担当するマキノノゾミ氏(43)のテーマであり、ドラマの胆(きも)である。

 今、満天は大阪で、気象予報会社に務めながら気象予報士の試験にも通り、次は「宇宙からの天気予報の実現」へと、夢へ1歩1歩近づこうとしている。

 −−それにしても、宇宙飛行士になろうという夢は、何だか、とても遠く、どこか絵空事や夢物語に思えるのですが、今の若い世代の子には、そんなことはない?

 宮地 絵空事じゃないですよ。だって、私の芸能界入りだって、確率からいえば非常に低かった。万分の1ぐらいのものだったんですよ。それでも願いは通じたんですから。宇宙飛行士だって、頑張ればいいんです。ドラマの中に、満天のおじいちゃんのセリフで「人間、ひとたび志を立てたなら、50年かかって成し遂げられんことなど、この世になかぁ」ってあるんです。私、このセリフが大好き。やりたいことに一生懸命に向かう、そのことに意味はあるし、宇宙だって、夢じゃないんです。

 宮地も、満天同様、夢へ真っすぐに向かう少女。

 みみず腫れの特技もよし。夢は大きく、目標高く。「何でもやってみなくちゃ!」と、教えてくれるのである。


好きって何

 今年の正月、真緒はお年玉(4万円)を両親からもらった。

 −−テレビに出演しギャラももらって、それでもお年玉も、もらうの?

 宮地 学生(短大休学中)の間はいいんですっ。だって、バイトして稼いでいる友達だって、みんなお年玉をもらってるんですよ。

 丸い顔をプッと、膨らませた。

 宮地 18歳って微妙なんですよ。微妙な年ごろなんです。

 −−お年玉をもらうか、もらわないかってことで

 宮地 そうじゃなくて(笑い)。だって、誕生日には母にも、妹2人にも、私、ちゃんとプレゼントあげましたよ。もちろん父にも。

 神妙な顔で振り返るが、やはり、お年玉が気になっている?

 現在、ドラマを制作する大阪で、女性マネジャーと2人暮らし。それでも1カ月に数度は必ず故郷・淡路島へ帰って行く。目的は母親との語らいだ。

 宮地 何ってことないんですけどね。夜中に、お台所の後片付けなんかを2人でしながら語るんですよ、深夜2時、3時まで。それが楽しい。

 −−最近、気になってることは

 宮地 好きって何? とか…、友達への好きという思いと、恋人への好きとはどう違うのとか。結婚って何? とか。母親とも、そんな話もしますよ。何でも話します。

 ドラマでも、結婚話は進行するが、それがそのまま、真緒自身の最大の関心事にもなっている。

 −現在、恋人は

 宮地 いません。

 淡路島から大阪という都会に出て来て、一番いやだったことが、若いカップルのいちゃつきぶりだったという。

 宮地 巻き髪でぇ、ミニスカートでぇ、甘えた声出しちゃって。男の子は女の子の腰に手なんか回して、ベタっとしちゃって歩いているでしょ。島にはそんな人いないですよ。邪魔なんですよ、邪魔。ほかの人が歩きにくいの。本当にイヤ。

 インタビューした1月下旬はまだ18歳。揺れる乙女心。いや、まだまだ「純情18歳」。


悩まず寝る

 1月17日。阪神・淡路大震災は8年目を迎えた。

 宮地 10歳でした。私の家は被害はなかったんですけど、島の中には大変な被害に遭ったところもあって…。

 一瞬、顔を曇らせる。

 彼女にとって、淡路島は大好きな故郷であり、また原点である。

 宮地 島には何もないけど、私はそこが、好きなんです。のんびりした時間が流れ、心も体も癒やされます。それでいてお祭りなんか最高ですよ。めちゃくちゃ盛り上がるんですから。

 主人公は屋久島の出身で、真緒は淡路島の生まれ。島は違うが、どこか真緒にも自然児のようなたくましさ、いまどきのアイドルとは一味違うおおらかさがあり、彼女の持ち味にもなっている。

 同番組の小見山佳典プロデューサーも、その点を評価する。「目がギラっとして、まゆ毛が濃くて、野性味すら感じる。単なるかわいこちゃんじゃないキャラクターですよね」。

 宮地自身は、自分をどう見ているのか。

 宮地 考えてもしょうもないことは考えるな。泣いても笑っても同じ1日。悩むくらいなら睡眠時間を取れって。これ、母親にいつも言われてるんですけど、私もそう生きたい。ちょっと大ざっぱですか。

 なるほど、自然児だ。

 NHKの朝ドラといえば、古くは大竹しのぶ(「水色の時」)や、山口智子(「純ちゃんの応援歌」)、松嶋菜々子(「ひまわり」)など、その後にスターに成長した女優は多く「国民的女優輩出ドラマ」ともいわれてきた。最近は、そこまでの注目度はないが、全国区の人気番組であり、スターへの登竜門であることに変わりはない。

 宮地は、この朝ドラ終了後の仕事を、まだ正式には決めていないが、幅広い役ができる女優になりたいというのが願い。

 宮地 私、顔が丸いでしょ。鼻も丸いでしょ。なんだか、シャープさがないんですよねぇ(笑い)。でも、行動力ではだれにも負けないつもりですから、頑張ります。

 自然児・真緒。番組終了後、今度は自身の大いなる夢の物語を、悠々と歩んでいく。


泣き言一切なし…根性あります

 「まんてん」で共演する照英(28) 彼女は、いつもジーパンでね、ボーイッシュですよ。恋に落ちるなんてちょっと、今は想像できないような女の子だなぁ(笑い)。そのぶん、まだまだ純朴な感じですよね。まじめでね、真剣に仕事に真っすぐに取り組んでいるっていうのかな。仕事で、泣き言なんかは一切言いませんけど、演技がうまくいかなくて、悔しい思いするとか、たまにはあるんじゃないのかな。そういう時は、端っこで、ジーッと我慢してるようなところがある子ですよ。だから根性あるんじゃないかな。今の素朴さ、純朴さを大切に大きく育って欲しい。


 ◆NHK朝の連続テレビ小説「まんてん」(総合、月〜土曜午前8時15分) 日高満天は屋久島に育った自然児。祖父・源三のトビウオ漁を手伝うが、ある時、種子島の宇宙センターで宇宙飛行士・毛利衛さんに出会い、自分も宇宙へ行きたいと思うようになる。大阪に出て、気象予報士の資格を取り、予報士としての生活が始まる。下宿先の二男も、宇宙を目指すと聞いて、同じ目的を持つ同士、意気投合。ついに結婚することになる。2人の間には元気な女の子も誕生する。(2月の放送分まで)


 ◆宮地真緒(みやじ・まお) 本名同じ。1984年(昭和59年)2月2日、兵庫・淡路島生まれ。高校1年の時、ホリプロのスカウトキャラバンへの参加をきっかけにスカウトされる。「フジテレビビジュアルクイーン・オブ・ザ・イヤー2001」に選ばれる。02年、第27代旭化成キャンペーンモデルに起用される。日本テレビ系「夜もヒッパレ!」などに出演。写真集は「はじめまして−16歳の夏」(00年、ソニー・マガジンズ)「アオイトキ」(02年、ワニブックス)をリリース。趣味は絵本収集。漢字検定準2級。身長167センチ、スリーサイズはB87−W58−H85センチ。血液型AB。


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(取材・馬場龍彦、撮影・宮川勝也)
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