夏季のパラリンピックは20競技503種目あります。五輪の26競技302種目(いずれも12年ロンドン大会実績)をはるかに上回っています。これは同じ種目でも公平を期すため、障害の種類や部位、程度によってクラスを細かく分けているためです。

 例えば陸上や競泳はまず肢体不自由、視覚障害、知的障害などに大きく分かれます。そこからさらに肢体不自由者であれば、切断の箇所や程度などによって細分化されます。このため陸上100メートルの金メダリストは、五輪は男女各1人ですが、パラリンピックには男女各十数人います。クラスを細かく分けると各種目の出場選手数が少なくなり、メダルの価値も下がるという見方もあります。一方でスポーツは公平な条件で競うことが原則です。クラスを減らすと、障害の軽い選手が有利になってしまいます。

 一方、団体で競う車いすバスケットボールは選手に障害の重い順から1・0~4・5の持ち点が決められ、コートの5選手の合計持ち点が14点以内に収まるようにルール化されています。これは障害の重い選手も軽い選手も一緒に試合に出場できるようにするためです。(2015年4月22日東京本社版掲載)