「選手養成の条件では中国や米国には遠く及ばない。しかし、われわれは頑張っている」。体操男子個人総合で内村航平選手に逆転され2位となったウクライナのオレグ・ベルニャエフ選手(22)は試合後こう話し、ウクライナ政権と親ロシア派勢力の紛争が続く厳しい状況にあるウクライナの選手が世界と競うことの難しさをにじませた。ロシアメディアが11日伝えた。

 ベルニャエフ選手はソ連崩壊で社会、経済が混乱していた1993年、ウクライナ東部ドネツクで生まれ、キエフの体育系高等教育機関などで練習してきた。出身地はウクライナ危機が勃発した2014年以来、親ロシア派勢力の支配下にあり、キエフとの往来も容易ではない状況だ。

 ウクライナは財政も危機的状況が続く。ベルニャエフ選手は「ウクライナはこれまでも問題があったし、これからもそうだろう」と指摘。その上で「航平の神経を刺激し、彼に迫ることができてうれしい」と話した。