J1鳥栖とスペイン1部リーグの強豪、Aマドリードの国際親善試合が8月1日、佐賀県鳥栖市のベアスタで行われる。Aマドリードは、13-14年シーズンに10度目のリーグ制覇を果たしている世界的な強豪だ。「神の子」の愛称を持つ元スペイン代表FWフェルナンドトレス(31)らをそろえる世界トップレベルのタレント軍団に、鳥栖のハードワーク、堅守速攻がどこまで通じるかを楽しみにしている。

 特に14年W杯ブラジル大会にも出場したコートジボワール代表FWドログバを模して「トヨグバ」と呼ばれるFW豊田陽平(30)のダイナミックなプレーに注視したい。日本人離れした185センチの強靱(きょうじん)な肉体と優れた身体能力を武器に、当たり負けしないパワフルなプレーが持ち味。得意とする空中戦やセットプレーからの競りあいなどが見ものである。

 既に18年W杯ロシア大会へ向けたアジア予選がスタートし、情報収集を続ける日本代表スタッフも気になる一戦になるのではないだろうか。海外志向が強い豊田にとっても、国外へ猛烈アピールできる舞台になるはずだ。

 「結果を出すのが僕の仕事。期待されている分、しっかり点を取る」と、普段から自分の立ち位置を自覚している。それだけにビッグチャンスへがぜんヤル気だ。7月15日の川崎F戦で、G大阪FW宇佐美に得点ランクで首位に並ぶ今季14点目のPKを決め波に乗っている。93~96年シーズンに4年連続で15得点以上を奪ったFWカズこと三浦知良(現横浜FC)の快記録に王手をかけた。ここに来て東アジア杯の日本代表予備登録メンバーにも選ばれた。日本代表定着にこだわるだけに、モチベーションも上がっている。

 今回の親善試合は、7月29日のリーグ鹿島戦から中2日で迎える過密日程で行われる。釣りが好きだという豊田にとって、大物を一発で仕留める“一本釣り”の結果になるのだろうか。私事ながら、現在は主に高校野球の九州各県の予選を取材する日々を送っている。これから夏本番。高校球児にも負けない、熱~く華麗なパフォーマンスを期待したい。


 ◆菊川光一(きくかわ・こういち)1968年(昭43)4月14日、福岡市生まれ。福岡大大濠高-西南大卒。93年入社。写真部などを経て現在報道部で主にJリーグなど一般スポーツを担当。スポーツ歴は野球、陸上・中長距離。