【ドバイ(アラブ首長国連邦)=19日】クールに戦ってカード誘発!?日本代表が、W杯アジア3次予選バーレーン戦を控えたドバイ合宿で本格的な練習を開始。ラフプレーが予想されるバーレーンに対しDF中沢佑二(30=横浜)らは、冷静に対処し、あわよくば相手に警告を出させるしたたかなプレーを心がける。相手のラフプレーにも熱くならずに勝利した東アジア選手権の中国戦(2月20日)のように、大人のサッカーで戦い抜く。

 相手のいないフォーメーション練習で、DF陣はできるだけ少ないタッチ数でパスを回し続けた。06年W杯最終予選でバーレーンとの試合に唯一2戦とも出場したDF中沢は「ボールを持ちすぎるとやられる」。3バックの中央に入り、素早いパス回しで相手に寄せさせない。

 さらに「相手にイエロー、あわよくば退場を誘発できるようにしたい。瞬時の判断力を持っていれば心配ない」。ボールを奪えず、いらいらした相手にラフプレーを仕掛けられたところで、警告・退場を誘って自分たちに流れを引き寄せる考えだ。

 アテネ五輪アジア予選でU-22同国代表と対戦した阿部も「頭は冷静に。サッカーをやっているのだから、挑発に乗ってはいけない」。荒っぽいプレーにも、相手の攻撃を封じることだけに集中するつもりだ。

 岡田監督も2月6日のタイ戦後、しっかりとバーレーン戦を見据えていた。同じ日に行われていたオマーン戦を、チェック。ボールを離した後でも、体をぶつけるなど続出するラフプレーを目の当たりにして、「レフェリーが違えば2、3人退場していた。1番のポイントは(選手が)タフにできるか」と話した。今月には0泊3日の弾丸ツアーでバーレーンとカタールの親善試合を視察。実際に自分の目で見た上で、相手の戦力や戦術よりも、いかに冷静に対処できるのかを第1にあげた。

 W杯予選という大一番を前に、これまでの経験が生きてくる。東アジア選手権の中国戦では次々とラフプレーを受け、不可解判定に警告・退場こそ誘発できなかったが、たくましく勝ったことで1回り成長した。「チーム、スタッフ、選手が一丸にならないといけない」と同監督。同予選初めてとなるアウェーの地。日本が大人のサッカーをみせる。【栗田成芳】