【バンコク=10日】日本代表MF中村俊輔(29=セルティック)が右足首に爆弾を抱えた。日本代表はこの日、14日のW杯アジア3次予選タイ戦に向けて現地での調整を開始。中村俊は右足首痛を訴え、別メニュー調整となった。古傷の個所だが「いつもと違って痛みが消えない」と不安を明かした。

 2日間の休みを挟んでも中村俊の右足首から痛みは消えなかった。オマーン戦で古傷が悪化。この日は、練習が始まると同時に選手の輪から離れ、DF長友とともに別メニューとなった。ランニングと軽くボールを蹴って感覚を確かめた。開始1時間弱で早々に調整を切り上げ、超音波治療も行った。だが表情はさえなかった。

 「(回復が)いつもと違う。いつもはコリコリした痛みが1、2日したら消えるはずなのに」。検査は受けておらず、この日はテーピングを施して保護したが、痛みが感覚を支配した。タイ戦の出場の可否については「間に合わせようと努力はしているけど…」と歯切れは悪かった。

 岡田監督も判断のつかない状況だ。「試合後から痛みが引かない。無理をしたくないとドクターを通じて言ってきた。出場?

 本人かドクターに聞いてくれ」。これまで選手の故障には自らの言葉で、ある程度のメドを口にしてきたが、今回は治療に委ねている。チームドクターも「もともと持っている痛みが強くなっている」と説明した。

 中村俊本人はもちろん出場を望んでいる。だが、「明日テーピングをガチガチに巻いてどれだけできるか。間に合わない感じじゃないと思う。でも明日も(痛みが)変わらない感じならば…」と、不安の大きさをのぞかせた。出場停止のFW大久保に加え、仮に中村俊を欠くことになれば、岡田ジャパンには大きな逆風だ。【広重竜太郎】