柏が、U-22日本代表の視察へスカウトを中東バーレーンに緊急派遣することが8日、分かった。あす10日に出発し、12日に行われるU-22日本代表対同バーレーン代表戦1試合を視察する。お目当ては浦和、横浜、G大阪などJ9クラブが争奪戦を展開しているDF山村和也(21=流通経大)。遠く中東の地まで出向き、獲得の熱意を伝え、争奪戦を1歩リードする狙いだ。

 山村獲得へ柏が本腰を入れた。当初予定されていたサウジアラビア戦の視察も検討していたが、中東までの経費を考慮し1試合に決まった。代表出発前の2日に行われた、浦和との練習試合も視察。この試合で山村が負傷し、浦和スタッフが病院へ付き添うなど、獲得を表明している各クラブは最大限の配慮を示している。

 柏も以前から山村に熱視線を送っていた。大学ではセンターバックだが、U-20日本代表ではボランチでもプレー。柏は複数のポジションを高いレベルでこなせる選手を評価しているが、その基準にぴったりあてはまる。リーダーシップもあり、昨年1月のアジア杯予選でA代表デビューを果たすなど将来性も問題ない。

 戦力として願ってもない存在だ。柏にとってセンターバックは補強ポイント。今オフに前広島のDF槙野(現ケルン)の獲得へ動いたが失敗。5日に行われたグアムキャンプでの札幌との練習試合では、本来サイドバックのDF村上を起用するなど選手層の底上げを模索中。主力のパクが30歳を超えていることもあり、若い選手の台頭が望まれている。

 強行日程の中東視察だが山村視察だけでは終わらせない。同代表に参加しているFW宇佐美や小野といった、ライバルチームの主力もチェックできる。昇格し情報が少ないだけに一石二鳥。今季目標は6位だが、数年後には優勝争いをもくろむ。チームの軸となりうる山村の獲得次第で青写真も大きく異なってくる。