浦和MF武藤雄樹(26)が、同点弾で苦境のチームに勢いをよみがえらせた。

 後半22分、スルーパスに飛び出したFWズラタンからの右クロスを、頭で押し込んだ。「パスが長かったので追いつくかなと思ったけど、信じて走ったらいいボールが入ってきた。ゴールが目の前だったので、押し込むだけでした」と笑顔で振り返った。

 チームは序盤から、鹿島にリズムを握られて苦戦を強いられた。後半にはオウンゴールで先制も許した。そんな中でも武藤は持ち前のオフザボールの動きで、不振の味方からうまく縦パスを引き出した。一方で、バランスを崩した守備陣が危機に陥りそうだとみれば、一気に自陣に駆け戻る。攻撃参加の鹿島DF西からボールを奪い、ピンチを未然に防いだ。

 後半38分にMF関根が決勝弾を決めた後も、前線を走り回り、ゴールに迫り続けた。攻守に献身的に動きつつ、リーグ戦2試合連発と結果も出す。仙台から今季新加入ながら、今やチームにかかせない存在になった。昨年までなら負け試合。しかし今季の浦和には武藤がいる。