<J1:広島0-0名古屋>◇第32節◇21日◇広島ビ

 名古屋が戦列復帰したGK楢崎正剛(33)の「神の手」で広島と引き分け、勝ち点1を手に入れた。左手甲の骨折、手術を乗り越え3カ月ぶりの公式戦復帰。ロスタイムには広島FW李の至近距離からのヘディングシュートを驚異的な反応でキャッチ。復帰戦を完封で締めた。前半1度、後半はロスタイムも含め2度の決定機を阻止。故障前と変わらぬ安定感を見せた。「試合に出るからには、ケガする前だろうと後だろうと100%の状態。そうでなきゃ出られない」。言葉通りのプレーだった。

 4大会連続となるW杯出場へ、文句なしの再スタートとなった。視察した日本代表の加藤GKコーチも最後の李のシュートを「難しい判断だったけど、前に出ていたらやられている場面」と高く評価。世界中がアンリの犯したハンドに注目する中、日本の「神の手」が、抜群の存在感とともに表舞台に戻ってきた。【八反誠】