J2横浜FCのFWカズ(三浦知良=43)は、W杯メンバー発表を楽しみに待つ。右足首痛でベンチ外のカズは9日、ニッパツ三ツ沢球技場での栃木戦をスタンド観戦。完敗後に厳しい表情を見せた後、代表発表の話になると「誰にでもチャンスはあるから。楽しみだね」と笑顔で話した。

 カズにとって、W杯は特別だ。20年前の90年に「日本をW杯に連れて行く」と言ってブラジルから帰国。94年米国大会は「ドーハの悲劇」で逃した。続く98年フランス大会は直前の岡田監督による「外れるのはカズ、三浦カズ」で落選。以後の2大会では名前が呼ばれることはなかった。

 しかし、人気は相変わらず。最近の日本代表の低迷で、さらに待望論は強くなった。カズ自身の耳にも届いて「戦力としてじゃなくても、名前があがるのはうれしいね。代表の状態が良くないから、ベテランの力が求められているんだろうけど」と話していた。

 リーグ戦にも出られないケガで、現実的に選出はありえない。それでも、4年ごとに「W杯の象徴」として期待する声はあがる。今回は12年前と同じ岡田監督だけに、なおさらだ。「岡田さん、呼んでくれないかなあ…」。この2年間、カズは独り言のように何度か口にした。多くの候補選手と同じように、43歳も楽しみに発表の時を待つ。