イタリア代表やセリエAなどを統括する同国サッカー協会は2日、ローマの協会事務所で理事会を開き、セリエA各クラブのEU(欧州連合)外国籍の獲得選手枠を、今夏に開幕する10-11年シーズンから現行の2から1に削減することを決めた。同国代表がW杯で1次リーグ敗退したことを受け、国内選手育成を急務としたもの。セリエA移籍が取りざたされているMF本田圭佑(24=CSKAモスクワ)ら日本人選手らにも、大きく影響しそうだ。
あまりに唐突だった。世界の移籍市場を混乱に陥れる重大な決定が、イタリアで下された。31人の理事が出席した協会理事会で行われた採決では、賛成27票、反対2票、棄権2票。圧倒的多数で、EU外選手枠の削減案が可決された。
母国代表が、W杯で1次リーグ敗退を喫した。まさかの体たらくは、開幕前からくすぶっていた議論を再燃させた。南米やアフリカなど、EU外からの選手流入がイタリア人選手の活躍の場を奪っている、という懸念だった。GKブフォンも「この敗北はイタリアサッカーの危機だ。4年前と違うのは、デルピエロやトッティのような(試合を決められる)選手がいなかったこと」と、国内選手育成の必要性を訴えていた。
新たな規定では、各クラブはEU加盟国の国籍を持たない選手を1シーズンで1人しか獲得できない。しかも、獲得する場合はEU外の所属選手を1人、放出することが義務付けられる。国内やEU内選手の活躍の場を増やす一方、リーグのレベルや人気低下のリスクも負う。背に腹は代えられない現状だった。
セリエAを運営するイタリアリーグは、親団体である協会の決定に従わざるを得ない。リーグのベレッタ会長は「この決定は苦い味を残すだけ。根本的な解決にならない」と食い下がったが、訴えは通じなかった。既に補強計画に動いていたラツィオのロティート会長も「今までの交渉が立ち消えになる」と頭を抱えた。ACミランなどが興味を持っているMF本田ら、日本代表選手のイタリア進出も狭き門になる。躍進の16強戦士たちが、強国の不振で思わぬあおりを受けることになりそうだ。(波平千種通信員)
[2010年7月4日13時54分
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