6度目の日本での開催となる世界選手権。男子で誰よりも注目を集めるのは、若き五輪王者の凱旋(がいせん)だろう。羽生結弦(19=ANA)が母国で最強の舞をみせる。

 ソチ五輪では、日本人初の金メダリスト、さらに48年サンモリッツ五輪のバトン(英国)以来66年ぶり史上2人目の10代王者にもなった。記録ずくめでフィギュアスケート史に新たな1ページを刻んだ19歳は、だからこそ世界選手権を「ものすごく大事な試合」と位置付ける。

 ソチではショートプログラム(SP)で史上初の100点超えの演技を披露。だが、フリーでは転倒が2度あり、結果的にはSPの貯金を生かして逃げ切る形になった。「自分の力を発揮できなかった」と後悔が残った。今度こそ完璧な滑りで、強さを証明したい。だから、日本での戦いが「ものすごく大事」になる。ソチ五輪銀メダリストで世界選手権3連覇中のチャン(カナダ)、同銅メダリストのテン(カザフスタン)が欠場するからこそ、勝負は自分と。「100%の演技ができるように」とカナダで調整を積んできた。

 日本からはソチ五輪5位の町田樹(24)、小塚崇彦(25)も出場する。フェルナンデス(スペイン)、閻涵(中国)などの他国のライバルとの戦いになるが、日本勢で表彰台独占もありえる層の厚さで大会に挑む。