「夏女」らしく、8月に入って今季初優勝への光が見えてきた。

 18日に開幕するCATレディース(神奈川・大箱根CC)の昨年覇者となるイ・ボミ(28=韓国)。まだ今季は優勝がない。これまで不安定なショットの修正に悩み、スコアメークができない状況だった。そんな賞金女王が前週のNEC軽井沢72最終日に「昨年は(CATレディースの)日曜日が私の誕生日で(優勝の)良いことがあった。自信を持っていきたい」と言うほどの手応えを得ていた。

 その前週の最終日、イ・ボミは66の好スコアをマークした。6月のリゾートトラスト・レディース第3日に並ぶ今季の自己ベストだった。「今週はバーディーを多く取ることができた。ショットが良くなったのかなと思います」と自己分析。2週連続でプロアマ戦を一緒にラウンドした日本女子プロゴルフ協会・樋口久子相談役にスイングチェックしてもらったことを明かした。

 同相談役からのアドバイスは「シンプル・イズ・ベスト」。それまではバックスイング時に右足に重心が乗らないことを悩んでいたという。「右に乗らないからどうしたらできるか、いろいろ調整していたけれど、樋口さんのおかげで何も考えず、右に乗せて回すだけにしました。そうしたらパッティングまで転がりが良くなりました」と笑顔をみせた。同相談役への感謝の気持ちが強く「優勝したら賞金の10パーセントを渡しますと言っていたんです」と笑顔で強調した上で「次に感張りたい」と、CATレディースを見据えていた。

 昨年8月、イ・ボミは北海道meijiカップ、CATレディースと2勝を挙げた。運も味方しそうな誕生月でもあり、夏が得意と言っていいだろう。今季は3月の開幕戦ダイキン・オーキッド・レディースでの3位が最高成績。これまで復調の兆しがありながら、なかなか調子が上向きにならなかったが、今回こそ-の期待は大きい。

 軽井沢では関係者20数人による1週間早いバースデー会も開いてもらったという。復調への手応えもあるせいか「30歳までには彼氏がほしい」と明るい表情だった。今月21日に29歳の誕生日を迎えるイ・ボミの「夏の陣」。今週が反攻のタイミングなのかもしれない。【藤中栄二】