みなさんこんにちは。あなたの街のプロゴルファー、タケ小山です。今日からお届けするのは「練習しなくてもこれを読んで実践すればスコアがよくなる」という最高の1ページ。効き目の高い即効薬の処方箋です。読んだだけでスコアがよくなったりはしませんが、読んだままを実際に行えば効果はてきめん。プロゴルファー生活32年、そのうち米国生活が18年、日本に帰ってから10年の経歴を持つ私の即効薬、忘れずに飲んで(読んで)下さいね! 朝、仕事に出かける前に読むのもよし、ラウンドのスタート前に読むのもよしです。よろしくお付き合いください。


白衣姿でポーズをとるタケ小山氏
白衣姿でポーズをとるタケ小山氏

 さて、今週は待ちに待ったマスターズウイーク。ゴルフファンの方はもう、ワクワク、ソワソワしていることでしょう。私も同じです。みなさんの大半は早朝のテレビ中継で観戦されると思いますが、その時、いろいろ意識して見ると楽しいことをお話ししますね。テレビにくぎ付けになる時はそのあたりに注目! さらに興味が深まりますよ。

 まず、コース全体の地形を見てもらうと楽しさ倍増です。ただ、テレビや写真だとなかなか分かりにくいんですよね。イマジネーションを広げてください。「テレビで見るよりはるかに高低差のあるコースだ」とよく言われますが、本当にそうなんです。それを補うべく、少しご説明しますね。それをイメージしていただくと、より楽しめるかと思います。

 お手元にオーガスタ・ナショナルGCのコースレイアウトがあったりするとなお楽しい。マスターズのウェブサイト(http://www.masters.com/en_US/course/index.html)は充実していますから、そこを開きながら読んでもらったりするとイメージが広がります。

 クラブハウスを出ると正面にある9番グリーンと18番グリーンの間に、実は谷があるんですね。これがグぐぐ~っと8番のティーグラウンドまでゲレンデみたいにつながっているんです。これから始まるレッスンの中でも、コース全体の地形というのは重要な情報になることが出てきますが、オーガスタ・ナショナルGCにはこんな谷があると分かっているだけでも、いろいろと見えてくることがあります。画面に映る部分だけではなく、コース全体をイメージしながらテレビ観戦を楽しんでください。

 マスターズはもともと、メンバーが自分たちが楽しむために、ポケットマネーでマスター(名手)たちを呼んだ招待試合だったんですね。そのうち「もっとたくさんのマスターを呼びたい」ということになり、賞金捻出のためにお客さんを入れるようになった。だからギャラリーではなく試合をサポートしてくれる“パトロン”と呼ぶわけです。

 パトロンのチケットは、昨年の例でウイークリーで325ドル(約3万7300円)が正規料金。何枚売っているのかは非公表なのですが、米ゴルフ雑誌が調査したところ、のべ約4万枚だったそうです。単純計算でも13ミリオン(1300万ドル=約14億9500万円)!すごい興行ですね。

 賞金額は大会初日の木曜日に発表するのが恒例となっています。興行収入に準じてということなのでしょう。すごいのは、これだけ多くの人が入っているのに、そんな風に見えないところ。上手にお客さんがコースに同化するように配慮してあるのです。テレビカメラに映らないところに大きなスタンドがあったりするんですね。松山英樹が連覇したフェニックス・オープンとは好対照ですね。こんなことを頭に入れながら、マスターズ観戦を楽しんでください。松山君も優勝候補の1人だし、期待したいところですね。

 そして来週からはいよいよ、読むレッスンの始まり始まり。ちゃんと実践すればスコアがよくなることは私、タケ小山が保証します。火曜の朝はゴルフ即効薬。飲むのを忘れないでね~。よろしくお願いします!!


 ◆タケ小山(こやま)本名小山武明。1964年(昭39)7月7日、東京都生まれ。中大卒業後、プロゴルファーを目指して89年に渡米し、フロリダ州のゴルフ場所属プロとなる。米、カナダ、オーストラリア、アジアなどのツアーでプレー。07年に帰国し、日本ツアーに参戦。08年に早大大学院でスポーツマネジメントを学ぶ。ザ・ゴルフチャンネル、ゴルフネットワークなどでのトーナメント解説には定評がある。TBS系「サンデーモーニング」の「屋根裏のプロゴルファー」として知られる。InterFMの「Green Jacket」(土曜午前5~8時)、文化放送の「The News Masters TOKYO」(月~金曜午前7~9時)などに出演。


取材・構成 遠藤淳子(清流舎)

撮影 山崎安昭

協力 ザ・インペリアルCC(茨城県稲敷市)