間もなくバレンタインデー ! チョコレートではなく、ゴルフクラブが欲しいなぁ。な~んて誰かに甘えてみたい今日この頃。いかがお過ごしでしょうか。だからというわけではありませんが、毎週火曜日恒例「タケ小山のゴルフ即効薬」のテーマは引き続きゴルフクラブ。「クラブセッティングはきれいな流れで」です。流れって何だ? まぁ、読んでみてください。
■フルショットの距離、把握してますか?
クラブ | 飛距離 |
---|---|
1W | 250ヤード |
3W | 230ヤード |
5W | 220ヤード |
UT | 210ヤード |
4I | 195ヤード |
5I | 185ヤード |
6I | 175ヤード |
7I | 160ヤード |
8I | 145ヤード |
9I | 130ヤード |
W(50度) | 115ヤード |
W(54度) | 95ヤード |
W(58度) | 80ヤード |
バッグに入っている14本のクラブのうち、パターをのぞく13本のクラブをずらりと並べてみてください。ドライバーから一番飛ばないウエッジまで、それぞれが持つフルショットの距離、把握していますか? この連載でもウエッジの距離の話、ドライバーの距離の話を以前にしていますね。
13本のクラブが持つそれぞれの飛距離をわかっていることは、コースマネジメントを考えるうえではとっても大切です。今回は、その1本1本のクラブが持つ距離の差を、できるだけそろえましょうというお話です。距離というのは、平均飛距離のことですよ。念のため。
タケ小山の例でお話ししましょう。上の表を見てください。ドライバーは飛距離を求めるクラブなので、その次の3Wとの差は20ヤードありますが。後は最も距離が出ない58度のウエッジまで、それぞれのクラブの飛距離の差が、大体15ヤード(中には違うものもありますが多少は仕方がありません)できれいにそろっているのがわかりますか? これが大事なことなんです。
クラブのロフトの差(ギャップ)が、4度でそろっています。理想のセッティングといっていいでしょう。これをどうやってつくるか。というと基準となるクラブをつくって、そこからクラブのロフトをそろえていく。パターの次に飛ばないクラブ、僕の場合でいうと58度のウエッジを基準にすると作りやすいと思います。
これが意外に難しいんです。プロでも、距離の“穴”があるセッティングになってしまうとミスが起きやすい。クラブとクラブの間の距離、いわゆるビトウィナー(betweener)というヤツですね。もちろん、常にフルショットの距離が残るわけではありませんから、ビトウィナーの場合、ハーフショットやクオーターショットで対応することもあるでしょう。けれども、フルショットのほうがよりミスが少ない。だから、セッティングをきれいな流れにしよう、ということです。“穴”ができてしまうと、ゴルフが難しくなります。飛ばし屋ほど、穴ができやすい。だからミスも起きやすいというわけです。
気に入ったからといって、突然、FWやUTなどをポン! とセッティングに入れる、というケースが穴ができやすいので、ご注意ください。
今週の処方箋
クラブの“車間距離”をそろえよう
【服用法】「ギャップ萌え~ ! 」なんて言っている場合じゃありません。ギャップ(車間距離)をきれいにそろえてミスを減らせば、ゴルフはよりやさしくなります。
◆タケ小山(こやま)本名・小山武明。1964年(昭39)7月7日、東京都生まれ。中大卒業後、プロゴルファーを目指して89年に渡米し、フロリダ州のゴルフ場所属プロとなる。米、カナダ、オーストラリア、アジアなどのツアーでプレー。07年に帰国し、日本ツアーに参戦。08年に早大大学院でスポーツマネジメントを学ぶ。ザ・ゴルフチャンネル、ゴルフネットワークなどでのトーナメント解説には定評がある。TBS系「サンデーモーニング」の「屋根裏のプロゴルファー」として知られる。InterFMの「Green Jacket」(土曜午前5~8時)、文化放送の「The News Masters TOKYO」(月~金曜午前7~9時)などに出演。
◆協力 ザ・インペリアルCC(茨城県稲敷市)
◆取材・構成 遠藤淳子(清流舎)
◆撮影 松本俊